2010年6月30日

第6回 九州・沖縄小児救急医学研究会のお知らせ

小児救急に興味のある、九州・沖縄在住及び近隣県の医師及び看護師、救急救命士などの救急隊、行政関係者、研修医・医学生を対象に「第6回九州・沖縄小児救急医学研究会」が開催されます。

今回の当番世話人は、本講座「小児救急総合部門」の人見准教授が担当します。
研究会では一般演題と特別講演として九州厚生年金病院小児科の渡邊まみ江先生による「救急室で遭遇する、小児循環器疾患の診断と初療」があります。

日 時 : 平成22年8月21日(土)13:00~(予定)

場 所 : ホテルニューオータニ佐賀   

参加費 : 1000円


詳細は追ってこのブログ上や講座ホームページでお知らせします。
小児救急に興味のある皆さんの幅広いご参加をお待ちしております!

2010年6月28日

済生会宇都宮病院 総合内科

先週の金曜日は当講座の杉岡教授と佐賀大学病院卒後臨床研修センターの江村先生と一緒に、栃木の済生会宇都宮病院・総合内科の伊東剛先生を訪ねました。

済生会宇都宮病院は、644床の中核病院で栃木県救命救急センターも併設されている3次医療機関です。

歴史的に当初より「総合内科」があり、専門内科と連携しながら内科部門の中心的な役割を担っており、総合内科スタッフ(後期研修医含む)は20数名とのことでした。

また救急車の受け入れは年間5000台を超え、救急科との連携も取りながら診療・研修指導を行われているとのことでした。

専門内科志望の後期研修医も数年間の総合内科研修をしてから、専門科に進むとのことで内科の基盤としての位置づけもあるとのことです。

これからの日本では総合内科医を増やすことは必須ですが、より幅広く対応できる専門内科医が増えることももちろん大切です。

そのほかでは宇都宮病院には、産科医不足への対応として院内に助産施設「バースセンター」があるということも画期的だと思いました。
自然分娩ができる落ち着いた温かい雰囲気の施設でした。

とてもお忙しいなか、熱心にお話しをしていただいた伊東先生の大きな情熱に私たちも刺激と元気をいただきました!
本当にありがとうございました。
日本に総合内科医を増やすためにこれからもお互い頑張りましょう!  

                                                          
最後に宇都宮駅近くで、男三人でワイワイと「餃子像」の前で記念写真を撮って、餃子を食べて東京に戻りました。餃子(焼・揚・水餃子)、美味しかった~












(本文とは全く関係ありませんが、斉藤和義ファンとしてはオリオン通りに行けなかったことだけが心残りでした。)
(総合内科 さかにし)

2010年6月24日

1年生の目の輝き

今日は、医学科1年生に講義をしました。
「医療人キャリア」というシリーズの1コマで、各分野の医師が実際に行っていることを紹介して、
1年生に将来を見据えてこれからの6年間を有意義に過ごしてもらいたい、というのが講義の目的です。

僕は、毎度になりますが(笑)、北海道幌加内町での「地域医療」の体験をお話しました。
今回は、「地域医療」のほかに「予防医療」についても少し掘り下げて説明しました。

まだ1年生なので医学的な知識はそれほどなく、ワクチンの話も新鮮だったようです。
熱心に質問してくれる学生さんもいて、嬉しかったです。
みんなの目の輝きが眩しかったぜい!

1時間「暑苦しく」しゃべり倒したんですが、少しでも「地域医療の魅力」や「予防医療の大切さ」が伝わってくれていればと思います!


さて、明日は朝いちの便で佐賀を発ち、栃木県の済生会宇都宮病院の総合内科病棟を見学させていただく予定です。楽しみです!

そして今週末は、東京国際フォーラムで開催される第1回日本プライマリ・ケア連合学会の学術大会に参加します。

土曜日夕から『北海道幌加内における6種任意ワクチン公費全額助成の実現とその経緯』について、ポスター発表します。
学会に参加される方は、是非ご覧くださいませ!
(総合内科 さかにし)

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↑今日講義を聞いた1年生は全員クリック(笑)

2010年6月16日

佐賀小児クリニカルカンファレンス

昨夜は佐賀小児クリニカルカンファレンス@佐賀大学病院でお話をさせていただきました。

昨日のブログにも書きましたが、私が今年の3月まで約3年勤務していた北海道の幌加内町では、平成20年度よりインフルエンザワクチン、平成21年度よりヒブ、水痘、ムンプス(おたふくかぜ)ワクチン、平成22年度より小児用肺炎球菌および子宮頸がんワクチンに対して公費全額助成を行っています。

カンファレンスでは「北海道幌加内町6種任意ワクチン公費全額助成への道」と題して、助成制度実現までの経緯と、学生さんもおられたのでワクチンそのものについても簡単に説明させていただきました。

カンファレンスには県内の開業医(小児科)のドクターも参加されていて、公費助成を進めるうえでの具体的な質問など多くの質問をいただきました。

現場で公費助成や定期接種化が必要と考えておられる医師はたくさんおられますが、その思いをいかに住民(議会)や行政に理解してもらうかが今後も課題です。

(総合内科 さかにし)

2010年6月15日

新米・プレママわくわくセミナー

6月13日(日)は西日本新聞社主催の「新米・プレママわくわくセミナー」に参加するため福岡の天神に行ってきました。

セミナーは3部構成で、
第一部「子どもを守ろう、ワクチンを知ろう・病気予防の基礎知識」、
第二部「トークセッション:ママの笑顔が子どもの笑顔」、
第三部「Q&Aセッション」になっていて、会場は200人強の若いママさん、プレママ(妊婦)さんで満員で、男性はちらほらでした。

司会はフリーアナウンサーの政井マヤさんで、ご自身も2歳児の母とのこともあり、会場の雰囲気が明るくなり、よくありがちな「まず××大学教授の××先生より開会のご挨拶を…」といった堅苦しさはなく、若い女性の心をしっかり掴んだ感じでセミナーが始まりました。

第一部では、日赤医療センター小児科顧問の薗部友良先生と国立病院機構福岡病院の岡田賢司先生のお話がありました。
薗部先生のお話は、いきなりワクチンの話題に入るのではなく、いまの日本のお母さんたちをとりまく状況(昔の母親がいまより立派だったのではなく、昔は地域で子どもを育てる母親的環境が整っていたなど)などからお話が始まり、惹きつけられる導入でした。そして家の中での事故や交通事故を防ぐのと同じで「ワクチンで防げる病気(VPD)はワクチンできちんと防ごう」とヒブワクチンと小児用肺炎球菌ワクチンによる髄膜炎予防の大切さとお話されました。

岡田先生からもそれぞれのワクチンについての説明や、ヒブワクチンや小児用肺炎球菌ワクチンは「任意」ワクチンだけれども、「任意」だからといって予防する病気が軽いわけではなく、病気の重大性からは「定期」と変わりません。それは単なる制度の違いです。というお話がありました。

「任意」ワクチンは、その言葉の響きや接種料金が全額自己負担になることから、せっかく効果的なワクチンが日本に導入されても接種率が高くなりません。日本の年間の髄膜炎患児数は、推計ではヒブ(Hib)によるものが600人、肺炎球菌によるものが200人かそれ以上と言われています。これらは非常に予後が悪いため、ワクチンでの予防がとにかく大切です。

本来は定期接種化や国による公費負担が理想ですが、それを待っていると時間が過ぎてしまうため、私が以前勤めていた北海道の幌加内(ホロカナイ)町では6種の任意ワクチンに対し全額公費助成(つまり無料)を行っています(6種:インフルエンザ、ヒブ、水痘、おたふくかぜ、小児用肺炎球菌、子宮頸がんワクチン)。
ちなみに佐賀県内でヒブワクチン、子宮頸がんワクチンの公費一部助成を行っている自治体は今のところ、小城市だけです。

第二部は、雑誌などでも有名な産後セルフケアインストラクターの吉岡マコさんとおしゃれなマタニティ服を提供するヴィリーナジャパンの青木愛さん、司会の政井さんによる3人のママによるトークセッションでした。若い女性の関心が強いテーマで、こういう企画はなかなか医療者のみによるセミナーにはない発想で今後の市民公開講座のヒントにもなりました。

第三部は、事前に募った参加者からのワクチンに対する疑問に薗部先生と岡田先生が直接答えるというものでした。司会者の「なかなか普段、小児科の先生からじっくりお話を伺う機会がないので今日は貴重でした」という言葉が印象的でした。

一般の方のなかには「なんとなくワクチンって不安」と思われているかたが少なくないと思います。
まずは医療者、行政、マスコミが正しい情報を提供して、ワクチンの理解を広めることが大事と思います。

当講座でもワクチンを含む予防医療の大切さを市民の方々にお伝えしていきたいと思っています。


インターネットでのワクチンについての情報は「VPD(ワクチンで防げる病気)を知って子どもを守ろう。」のサイトがおススメです!
(総合内科 さかにし)


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2010年6月11日

地域医療のメッカから


6月9日
地域医療のメッカとも言える自治医科大学地域医療学部門のH先生が当講座を訪問してくださいました。
H先生は同郷の後輩でもあり、思い出話や今後の夢など話に花が咲き知らぬ間に時間が過ぎてしまいました。
全国の地域医療学の仲間が意見を交換しみんなで盛り上げる・・・そのような交流もとても大切だと思いますが、まずその第一歩として自治医大の先生が来てくれたのはとても嬉しかったです。
H先生、お互いがんばりましょう!
(総合内科 杉岡)

2010年6月8日

小児科救急・小児救命救急

佐賀新聞社発行の生活情報誌「f i t」 6月4日号に、当講座「小児救急総合部門」の人見先生の記事が載りましたのでご紹介します。


小児科救急・小児救命救急
自転車で転倒し、夜になって嘔吐。
どうしたら・・・

Q.今日の夕方1歳の子供と自転車に乗っていて転倒しました。子供はどこも痛がらなかったので病院には連れて行きませんでしたが、風呂に入れる時に肘とおなかの皮膚に内出血のような痕(あと)があるのと、たんこぶにも気付きました。夜になって嘔吐しました。どうすればよいでしょうか。この子の兄が昨日から嘔吐下痢症です。(30歳女性)

A.相談の文面からは、嘔吐の様々な原因・重症度の可能性から、結果的に受診する必要がなかった可能性もあれば、消化管の損傷などによる誰にも気付かれない夜間の急変など最悪のケースも考えられます。それでは、日中であればこの子はどこを受診したでしょうか。小児科?外科?脳外科?整形外科?それとも総合病院の救急(科)?正解はありません。しかし、昼でも夜でもどんな訴えの子供でも、必ず一旦受け入れその後の診療の道筋をつてくれる窓口があれば、質問の方はそこに連れて行くか行かないかを決断すればよいのです。

小児科医は子どもを何でも診る?

 本日のお題は「小児科救急・小児救命救急」です。読者の皆様は、また医師など医療従事者の方でもこのよく似た2つの言葉の違いをイメージできないかもしれません。日本では歴史的に「小児救急」と称して夜間・時間外小児科外来中心の「小児科救急」整備のため、小児科医の確保が地域ごとに進められてきました。しかし小児科医は本来小児内科医で外傷など外因性疾患に習熟しておらず、小児死亡原因の多くを占める不慮の事故など外傷の子供の重症例は、主に救命救急センターの救急医や救急指定病院の各科医師など必ずしも小児に習熟していないと思われる医師が診療してきました。

1-4歳児の死亡率が突出

 日本は国土が狭くインフラが整備され、病院の数も多く国民皆保険も充実しているなど救急医療にアドバンテージを持っています。世界保健機構(WHO)のデータでも日本はあらゆる年代で死亡率が各先進国の平均を圧倒的に下回っています。しかし唯一1~4歳の死亡率のみ各先進国の平均を大きく上回る異常な突出が見られ、日本の医療水準からは考えられない死亡が小児では生じています。原因として小児救命医療や小児集中治療制度の未整備、更には重症小児との認識不足による不適切な搬送先の選定などが指摘されています。

小児救命救急システムの整備を

 日本の小児死亡を減らすには、今までのように小児科医が受動的に黙々と「小児科救急」を行うことでは解決しません。小児の扱いに慣れた小児科医と外傷など外因性疾患に慣れた救急医(や各外科系医師)の診療チームを背景に持ち、内因性・外因性疾患を問わずあらゆる小児を受け入れる、常に開かれた小児ER(救急救命室)とそこに専従する医師がいれば理想的です。小児ERでは医療従事者が、質問の例など様々な症例に対して診療の優先順位をつけ(トリアージ)、医療者の目で拾い上げた重症例から治療される「小児救命救急」が行われます。佐賀県では全国に先駆け佐賀大学病院などでこのシステム整備が始まっており、日本各地、特に地方における地域完結型小児救命救急モデルとして期待されています。


人見先生から ひとこと
「地域の総合力でこどもの命と健康を守るシステムを育てましょう。」

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2010年6月7日

火垂るの里

週末は、佐賀市のとなりの小城市で子ども達と蛍を見ました!

毎年、いまの時期に小城の祇園川で蛍が見られます。
水のきれいな小城ならではです。

この週末も蛍見物客が多く、他県の車も多く見られました。

我が家は、地元のひとのみが知る穴場に行き、蛍鑑賞をしました。

いつも、不思議だなと思うのですが、時々、蛍は人間の方にプ~ンと飛んできてくれます。
今回もプ~ンと来たので、つぶさないようにそっと捕まえました。

手の中で輝く蛍に、ちび達(3歳&2歳)は大喜び。
手を開くと、蛍はまた飛んで行きます。

そして、空を見上げると星も輝いていました。


佐賀には、まだまだ自然が沢山残っていますよ~

2010年6月2日

いよいよ本格始動!

総合内科部門は6月からいよいよ本格始動に入り、
昨日は専門内科の後期研修医への派遣指導(地域の中核病院に行っている専門診療科の研修医に対して、外来や入院患者の総合内科的指導、サポート)に行きました。

専門科研修医に対して総合内科を教育する・・・はたしてどんな感じになるだろう、と初めは恐る恐るでしたが、
研修医の先生がとても前向きで積極的に質問したり教えたことをすぐに取り入れたり、
また私自身も最近の専門的な知見を教えてもらったり、一緒に勉強していく雰囲気ができたのがとても良かったと思います。

院長先生も総合内科の必要性を強く感じておられ、また他の先生方も快く受け入れてくださり、私達としても大変助かっています。

そして私自身、久しぶりの臨床現場だったのでとても楽しかったです。
(5月までの主な仕事は・・・あいさつ回り、予算の編成と交渉、居室の充実、・・・早く医者に戻りたい!!というのが本音でした。)

これからあちこち現場に行って忙しくなりそうですが、若い先生たちと一緒に勉強するつもりで楽しくやっていきたいと思います。
(総合内科 杉岡)

2010年6月1日

小児救急総合部門の教育プログラム

当講座の「小児救急総合部門」では、佐賀大学病院の救急外来において
救急医とともに小児の1次~3次救急はすべて小児科医が対応しています。

小児内科のみならず、外傷などの救急にも対応できる「子どもの総合医」の育成も目指していて、以下の2つの教育プログラムがあります。


①小児救急医育成コース

救命医療に強く外傷にも対応できる小児科医(小児救急総合医)を目指す方、小児にも自信を持って対応できる救急医を目指す方のためのコースです。

②小児科職場復帰支援コース

何らかの理由で小児科のキャリアを中断したものの、職場復帰のため救急を含め高い小児科のスキルを身につけたい(取り戻したい)方のためのコースです。


ただいま平成23年度の上記コースの研修生を募集しています!
詳しくはこちらをご覧ください。


小児救急総合部門では、診療をしながら各種学会参加も可能です。
写真は、5月28~29日に京都で行われた日本小児救急医学会に参加した人見先生と・・
舞妓は~ん!!です。

あなたも佐賀大学病院で小児救急を学びませんか?!

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