2011年10月11日

日本プライマリ・ケア連合学会の秋季セミナーに参加しました

連休中に東京のお茶の水で開催された日本プライマリ・ケア連合学会の秋季生涯教育セミナーに参加してきました。

僕は1日しか参加できませんでしたが、2日間に渡り様々なレクチャー、ワークショップがありました。

定員制のため事前申し込みが必要で、特に人気のコースは早めに定員になってしまいます。

 僕は、『ALSO(Advanced Life Support in Obstetrics )を体験しようーALSO-Japan デモンストレーションコースー』と『高齢者の身体診察』に参加しました。

 ALSOは産科におけるACLSと言ったもので、周産期救急の基礎を学ぶ本来のコースは2日間になりますが、今回はそのminimal essence ということで3時間で「正常分娩」「肩甲難産」「分娩後大出血」についてのレクチャー&シュミレーターを用いた実技がありました。

 分娩について、じっくり習ったのは学生以来だったので、とても勉強になりました。

 米国では、地域によっては「家庭医」の先生がお産を扱うこともあるそうです。

日本では、さすがにプライマリ・ケア医が直接扱うことはないと思いますが、離島・へき地や飛行機内など緊急時は関わる機会がないとは言えません。

 BLSACLSのように学生や研修医時代に全てのひとがALSOコースを受けられるといいなと思いました。九州では長崎医療センターで開催されるそうなので、僕も本コースを是非受けたいと思います。


『高齢者の身体診察』はドクターGでおなじみの水戸地域医療センターの徳田安春先生によるワークショップでした。

参加者が31組で症例ごとにディスカッションしながら、ワークショップが展開されました。

今回は高齢者でおさえておくべき身体所見について、様々なパールが惜しげもなく伝授されました。

 身体診察ってほんとに奥が深いと改めて思いました。内科って楽しいです。

資料もたっぷりいただいたので、しっかり復習して佐賀の学生・研修医にも伝えたいと思います。


今回の秋季セミナーでは同時開催で震災シンポジウムもありました。

レクチャーの都合で、残念ながら参加できませんでしたが、当講座のスタッフが参加してくれたので間接的にその内容を聞きました。

震災の現場は、現在は避難所から仮設住宅での生活・医療サポートが課題となっています。

日本プライマリ・ケア連合学会の東日本大震災支援プロジェクト(PCAT)については、こちらをご覧ください。医学生の参加も可能で、佐賀大学医学部の学生さんもこれまでに3名参加してくれています。


次回は11月に大阪で秋季生涯教育セミナーが開催されます。

ぜひ、多くの方に参加してもらいたいと思います。
(総合内科部門 坂西雄太)

2011年10月7日

ポリオワクチンについて考える


最近は、ポリオ生ワクチンについては報道も多くなされるようになり、一般の方でもご存知の方が増えてきていると思います。

ポリオ(急性灰白髄炎)の原因となるポリオウイルスに感染すると10002000人に1人、手足に麻痺が出現すると言われています。

現在、わが国で使用されているポリオワクチンは生ワクチンであり、生ワクチンに含まれるポリオウイルスが原因で年間数名(100万人接種あたり1.4人)がポリオによる麻痺を発症しています。

厚労省のHPによると、日本では1960(昭和35年)年にポリオ患者の数が5千人くを越え大流行したそうですが、生ポリオワクチンの導入により流行はおさまったそうです。
そして1980(昭和55年)年の1例を最後に、現在まで、野生の(ワクチンによらない)ポリオウイルスによる新たな患者はありません。

野生のポリオが世間に蔓延していた時代には、ポリオ生ワクチンはまさに福音となったのでした。
当時から、ワクチンでポリオを発症するリスクは、やはり年間数名はあったと思われますが、その1000倍くらいワクチンで感染を予防できたからリスクを許容できたわけです。

しかし、日本国内で野生のポリオ感染がない今、年間に数名の子どもたちが、ポリオを予防するためのワクチンが原因でポリオを発症するのは忍び難いものです。いや、忍び難いなんてものじゃないですね、不活化ワクチンという選択がすでにある以上、許されないことだと思います。


海外では10年以上前からワクチンによるポリオ感染のリスクがない「不活化」ポリオワクチンを使用しています。世界と日本とのワクチンギャップのひとつです。

ホームページによると、現在、厚生労働省は不活化ポリオワクチンの国内導入の準備を進めていますが、早くても2012年度の終わりごろになる予定です。(ジフテリア・百日咳・破傷風・不活化ポリオワクチンの4種混合ワクチン(DPT-IVP)は、国内で開発中で、今年度末から順次、各メーカーからの薬事承認のための申請が行われる予定。またDPT-IVPの導入から近い時期を目指して、単独の不活化ポリオワクチンの導入も進められているとのことです)

現在、わが国では小児科医によっては不活化ポリオワクチンを個人輸入している医療機関がありますが、この場合は定期接種の扱いとはならないため接種費用は自己負担となります。

また現時点で佐賀県内で、この不活化ポリオワクチンを扱っている医療機関は1つの小児科医院のみで、接種できる医療機関は全国的にも十分ではありません。

報道の影響もあり、全国的にポリオ生ワクチンの接種を控える保護者も増えているようです。

問題なのは、不活化ポリオワクチン接種には費用がかかることと、接種できる医療機関も限られているため、生ワクチンも不活化ワクチンもどちらもせずに「待つ」という選択をしている方がいるだろうということです。

最近は中国でも野生のポリオ感染の報告があり、今後に日本に持ち込まれる可能性もあるため、どちらのワクチンもせずに「待つ」というのはリスクが高いと思います。

なので、来年度末(?)の不活化ポリオワクチン導入開始までの間、
国による単独・不活化ポリオワクチンの緊急輸入や、自治体による輸入不活化ポリオワクチン接種に対する公費助成が必要と考えます。
 

ワクチンギャップ。本当に早くギャップを埋めなくてはと思います。
日本って、先進国なのか後進国なのかわからなくなってしまいます。
 
しかしボヤいてばかりでは、モノゴトは良くならないので、僕たちも、自分にできることから動きましょう。

地元の議員さんや行政に提言や要望のメール、電話などいろんな方法があると思います。

僕もまず、自分が住んでいる市に、要望を出してみようと思っています。
(総合内科部門 坂西雄太)


参考

厚生労働省ホームページ
「感染症診療の原則」
『予防接種は「効く」のか?』岩田健太郎 著 光文社新書

お母さんのためのワクチン接種ガイド  VPDを知って、子どもを守ろう。の会編 日経メディカル開発

2011年10月6日

倉田です。お久しぶりです。

寒暖の差が激しくなり、風邪をひきそうですが、、皆様いかがお過ごしでしょうか?

この前、テレビでダニの特集がやってました。
もう、すぐにベッドや畳、布団に掃除機をかけて、ダニをやっつけてやりました!!

ちなみに、干した後の布団たたきはダニを奥にやってしまうのでNGらしいですよ~。


さて・・

9月いっぱいで佐賀大学での糖尿病内分泌内科の研修が終わり、10月から好生館で腎臓内科に移動になりました。


ふりかえってみると・・。

一言でいえば、まわってよかった! っと思いました。
なんといっても、皆さんが優しく気持ちよく仕事が出来たことが大きいですね!


3か月と短期間ではありましたが、まったく未知の状態から糖尿病の経口剤、インスリン使用の仕方。内分泌疾患の鑑別の仕方など、たくさん学びました。糖尿病の分野は、どんどん新薬も出るし、昔の知識だけでは到底無理でした~。。

今まで、苦手意識の強い分野だったので、助かりましたし、どういうときに専門家にコンサルトするべきか?など少しわかった様な気がしてます。

・・

・・・・

気がしているだけ?
そんな事はない!!自信持って行こうと思います。。
糖尿病が特にどこに行っても遭遇する疾患なので、今後も勉強していこうと思ってます。

県立病院での内容は、後日報告出来ればと思っています。

それでは、失礼します。

倉田毅

2011年9月27日

復興の狼煙(のろし)ポスタープロジェクト

東日本大震災の被災地支援のひとつとして『復興の狼煙(のろし)ポスタープロジェクト』というものがあることを佐賀の方から教えていただきました。

九州のみなさんにも、ぜひ、そのホームページを見ていただきたいと思います。

以下、ホームページから引用します。

「様々な想いを胸に秘めながら、前を向いて歩み始めようとする釜石市民。

 彼らから感じた「人間の強さ」、そのままを伝えたいと願った盛岡の広告人。

  苦しみながら悩みながら「今」を撮ることで答えを見つけようとした東京のカメラマン。」

様々の人々の想いがポスターの形になりました。

「このポスターを見て何かを感じてくださった方々の想いが、

  前を向き必死に生きようとする人々の明日への力となってくれること。

それがこのプロジェクトの唯一の目的であり、私たちからの切なる願いです。」


このポスターはHPで購入することができ、そのお金は撮影地の自治体に寄付されます。

僕らの地域医療支援学講座が入っている「地域医療支援センター」の2階への階段、
廊下に「復興の狼煙」ポスターの一部を展示しています。

学内のみなさん、ぜひご覧ください!
(10月にある学祭「むつごうろう祭」でもこのポスターを掲示してもらう予定です)

(総合内科部門 坂西雄太)

2011年9月19日

第5回ざっくばらん家庭医療勉強会のご報告

917日(土)に第5回ざっくばらん家庭医療勉強会が佐賀大学医学部にある「地域医療支援センター」で開催されました。
唐津市民病院きたはたの家庭医の先生方が主催、当講座も共催でお手伝いさせていただきました。


今回は佐賀大学のみならず、長崎大学、熊本大学、大分大学医学部から多くの学生さんが参加してくれました。医学科の1年生~6年生まで幅広く集まってくれました。


当日のレクチャーは以下のとおりです。

 
「家庭医としての学び方を実感してみる~振り返りという学習法~」
 菊川 誠 先生  九州大学医学研究院医学教育学部門助教

「診察の重要性を数字で感じてみよう」
 杉岡 隆 先生 佐賀大学医学部地域医療支援学講座教授

「雲の上の診療所体験~北アルプス・夏山診療所に参加してみませんか~」
 宮本 裕介 先生 唐津市民病院きたはた

 
「患者中心の医療入門」
 西川 武彦 先生 唐津市民病院きたはた

ケースディスカッション「糖尿病患者の教育入院」
  久田 祥雄 先生 佐賀大学 地域医療支援学講座 
                                  総合内科医育成プログラム後期研修医 
  (コメンテーター同講座 総合内科部門 蘆田 健二 先生)

「地域医療の中で思うこと」
 
阿部 智介 先生 阿部医院(佐賀県唐津市七山)


レクチャーによっては、グループディスカッションもあり、学生さんと後期研修医も関係なく、みんな活発に話し合われていました。

いろんな大学から来てくれた、やる気に満ち溢れた学生さんたちに会うと毎回のことながら、こちらも元気をもらって、近い将来の九州の、日本のプライマリ・ケアは確実に変わっていくという確信が持てます。

今回、医師側からは九州大学・医学研究院医学教育学部門、飯塚病院・総合診療部、長崎大学へき地医療再生支援・教育機構、唐津市民病院きたはた、佐賀大学・総合診療部、阿部医院、佐賀大学医学部地域医療支援学講座・総合内科部門から参加がありました。
各施設でも教育、診療のレベルアップを図りながら、より良い教育、医療が提供できるよう頑張っていきたいと思います。

 次回のざっくばらん家庭医療勉強会は1119日(土)に熊本大学で開催予定です!
(総合内科部門 坂西雄太)

2011年9月16日

レクチャー・勉強会目白押し

914日には当講座の久田先生による総合内科ミニレクチャー「レジオネラのひみつ」、


そして15日にはプライマリケアレクチャーシリーズで当講座の蘆田先生による「甲状腺中毒症の診療」がありました。


どちらもとても勉強になる内容で、私自身も大変参考になりました。

 
「レジオネラのひみつ」では当院・感染制御部の青木洋介先生にもコメントをいただきました。

自ら学んだことを発信し、またさらに学び続ける、大変ではありますがとても重要なことだと思います。

これからさらに第2段、3段と当講座のレクチャーシリーズは目白押しです。
より良い総合内科医になるために皆で一緒に勉強していきましょう。

(総合内科 杉岡隆)

2011年9月14日

『甲状腺中毒症の診療』レクチャーのお知らせ

日中はまだまだ真夏のような日もありますが、みなさまお元気でしょうか?

あと5時間後ですが、本日(9/14)18時より佐賀大学病院・卒後研修センターにて
地域医療支援講座presents
「総合内科医育成プログラム」の後期研修医の久田先生による
『レジオネラのひみつ』ミニレクチャーがあります。

当講座の蘆田先生および当院・感染制御部の青木洋介先生がゲストコメンテイターです。

レジオネラの秘密が知りたい方は是非ご参加くださいっ!
事前申し込み等はもちろん不要です~


 

続けて学内および近隣のみなさま、ならびに全国のPCLS参加施設の皆々さまにアナウンスです。

明日(9/15)朝7時半~ 札幌医科大学地域医療総合医学講座主催のプライマリケアレクチャー(Webで全国生中継)で、
当講座総合内科部門(代謝内分泌・糖尿病)の蘆田健二先生による
『甲状腺中毒症の診療』レクチャーがあります!

佐賀のみんなは、朝早いけど、三文の得をゲットすべく、佐賀大学医学部内の地域医療支援センター2階セミナー室(正門横の三階建て)に7時半に集合してください!!

全国の皆さまはPC画面を通してお会いしましょう!
(って僕がレクチャーするわけではありませんが)

(総合内科部門 坂西雄太)