2011年11月25日

小城の医学と地域医療〜病をいやす〜

お知らせがギリギリになってしまって申し訳ないのですが、
今週末の11月27日(日)まで佐賀県は小城市の小城市立歴史資料館で
『小城の医学と地域医療〜病をいやす〜』という企画展があっています。


佐賀大学の地域学歴史文化研究センターと小城市教育委員会の主催です。


「人々は病気になったときどのように対処してきたか。
 庶民医療の実態や、医師による投薬と治療の広がり、漢方医学から西洋医学への転換と
 近代医学の発達等の動きを小城市地域を中心に古文書、資料展示、パネル等で紹介します。」


小城市ホームページより)




と、いうことで、歴史の授業で習ったあの「解体新書」の初版本を見ることができます!
これは医療者ならずとも見てみたいのではないでしょうか?


また佐賀は、「種痘」という天然痘のワクチンが日本で初めて佐賀藩医師の楢林宗健によって実施された土地でもあり、これがきっかけで日本全国に種痘が普及します。


この時の佐賀藩のどの地区で、どこで(主にお寺)、何人に種痘が接種されたかの記録も展示されていて実に面白い。です。


佐賀は日本のワクチンの曙の地だったんですね。


小城市は国による公費助成開始前から、ヒブワクチンなどの公費助成を導入していました。
佐賀県は県としては、任意ワクチンの公費助成は全くありませんが
楢林宗健に倣って、日本のワクチン行政の魁になってもらいたいものです!


今日をいれて、あと3日しかありませんが、お近くのかたはぜひ、
九州の小京都、小城にお越しくださいませ。


(総合内科部門 坂西雄太)



2011年11月23日

ロタワクチンが発売されました

おととい、ロタ胃腸炎の重症化を予防するロタウイルスワクチンがついに発売されましたね。

日本ではロタ胃腸炎で毎年10名弱が亡くなっており、5歳までにほぼ全ての子どもが感染し、入院する5歳未満の子どもは年間2〜7万人ほどということで、外来受診まで含めると年間80万人!の子どもたちが小児科や時間外外来を受診していると推計されています。

ロタウイルスワクチンは生ワクチンで経口での接種になり、生後6週から24週までに2回接種することで、入院などの重症化を予防できます。

初回投与はなるべく早期がいいので、生後2ヶ月でヒブ、小児用肺炎球菌、B型肝炎ワクチンと同時接種で開始することがオススメです!

同時接種については心配される一般の方もいらっしゃると思いますが、海外では同時接種が基本であり、多くの研究から同時接種は単独接種と比べても、その有効性や安全性には差はありません(キッパリ)。
単独接種だと、全てのワクチンを完了するまでの期間が延びるので、かえって病気にかかるリスクが増えてしまいます。保護者の通院の負担も増えてしまいますね。

ワクチンスケジュールについては、『VPDを知って子どもを守ろう。』のサイトをご参照ください。

ロタワクチンについて詳しくは、メーカーのサイトがわかりやすと思います。

PCサイト(医療機関向け):http://lovesbaby.jp/medical/index2.html
PCサイト(一般向け):http://lovesbaby.jp/
携帯サイト:http://lovesbaby.jp/mobile/

ただ、残念ながら日本ではロタワクチンは任意接種のため、接種費用は自己負担になってしまいます(海外の国によっては定期接種なのですが...
接種費用は2回で3万円前後かかるため、かなりの負担になってしまいます。

ロタ胃腸炎できつい思いをする子どもたちを守るのはもちろんのこと、看病する家族の負担、小児科医、小児救急の負担を減らす意味でも意義が高いワクチンです。
また定期接種化している米国では、ワクチンの費用以上に医療費の抑制効果も明らかなになっていますし、日本の試算でも同様です。

医療費を抑えろと言いながら、医療費抑制効果のわかっている、こういったワクチンを定期接種化しない国は何を考えているのかわかりません!
・・・ついつい熱くなってしまいました。

水痘ワクチンやおたふくかぜワクチンが公費助成されていない自治体では、ロタワクチンよりもまずこれらの助成を開始すべきと思いますが、ロタワクチンについても公費助成、最終的には「定期接種化」が必要と思います。

みなさんの自治体では任意ワクチンに対する助成状況はいかがでしょうか?
手前味噌になりますが、僕が以前勤務していた北海道の幌加内町では水痘、おたふくかぜ、ヒブ、小児用肺炎球菌、HPV(中学生)、インフルエンザ(中学生以下)ワクチンの6種任意ワクチンの公費「全額」助成(自己負担なし)を行っています。

人口や自治体の財政状況によっては、全額助成が難しいところもあるかも知れませんが、道路を掘りおこしてまた固める予算があるなら、すくなくとも一部助成は可能でしょう。

助成がない自治体では、町や市の議員さんや行政に接種費助成の要望をするのも案外有効だと思います。

子どもが子どもとして輝く時間は限られています。
子どもをちゃんと守る世の中にしていきましょう!
(総合内科部門 坂西雄太)

2011年11月4日

バルーンフェスタなう。

いま佐賀では、『2011佐賀インターナショナルバルーンフェスタ』が開催されています。

佐賀では毎年恒例の一大イベントになっていて、会場が大学病院から割りと近いのでこの季節は空に沢山のバルーンを見ることができます。
(佐賀県女性医師支援窓口のブログ~Saga-Joyな日々~には大学病院とバルーンの写真がアップされています)


昨日の祭日に、わが子を連れて会場までバルーンを見に行きました。

佐賀ではめったに見られない人ごみのなかで(笑)迷子にならないように腕に
迷子バンドを巻いて、手をしっかりつないで飛び立つバルーンを眺めました。



明日、明後日の週末の夜には『夜間係留(ラ・モンゴルフィエ・ノクチューン)』という、かなりロマンティックが止まらない系のイベントも開催されます。

この週末はぜひ、佐賀インターナショナルバルーンフェスタへお越しください~
(駐車場は混むので、JR佐賀駅からの「バルーンさが駅」行きの電車が便利です)

(総合内科部門 坂西雄太)