おととい、ロタ胃腸炎の重症化を予防するロタウイルスワクチンがついに発売されましたね。
日本ではロタ胃腸炎で毎年10名弱が亡くなっており、5歳までにほぼ全ての子どもが感染し、入院する5歳未満の子どもは年間2〜7万人ほどということで、外来受診まで含めると年間80万人!の子どもたちが小児科や時間外外来を受診していると推計されています。
ロタウイルスワクチンは生ワクチンで経口での接種になり、生後6週から24週までに2回接種することで、入院などの重症化を予防できます。
初回投与はなるべく早期がいいので、生後2ヶ月でヒブ、小児用肺炎球菌、B型肝炎ワクチンと同時接種で開始することがオススメです!
同時接種については心配される一般の方もいらっしゃると思いますが、海外では同時接種が基本であり、多くの研究から同時接種は単独接種と比べても、その有効性や安全性には差はありません(キッパリ)。
単独接種だと、全てのワクチンを完了するまでの期間が延びるので、かえって病気にかかるリスクが増えてしまいます。保護者の通院の負担も増えてしまいますね。
ワクチンスケジュールについては、『VPDを知って子どもを守ろう。』のサイトをご参照ください。
ロタワクチンについて詳しくは、メーカーのサイトがわかりやすと思います。
PCサイト(医療機関向け):http://lovesbaby.jp/medical/index2.html
PCサイト(一般向け):http://lovesbaby.jp/
ただ、残念ながら日本ではロタワクチンは任意接種のため、接種費用は自己負担になってしまいます(海外の国によっては定期接種なのですが...)
接種費用は2回で3万円前後かかるため、かなりの負担になってしまいます。
ロタ胃腸炎できつい思いをする子どもたちを守るのはもちろんのこと、看病する家族の負担、小児科医、小児救急の負担を減らす意味でも意義が高いワクチンです。
また定期接種化している米国では、ワクチンの費用以上に医療費の抑制効果も明らかなになっていますし、日本の試算でも同様です。
医療費を抑えろと言いながら、医療費抑制効果のわかっている、こういったワクチンを定期接種化しない国は何を考えているのかわかりません!
・・・ついつい熱くなってしまいました。
・・・ついつい熱くなってしまいました。
水痘ワクチンやおたふくかぜワクチンが公費助成されていない自治体では、ロタワクチンよりもまずこれらの助成を開始すべきと思いますが、ロタワクチンについても公費助成、最終的には「定期接種化」が必要と思います。
みなさんの自治体では任意ワクチンに対する助成状況はいかがでしょうか?
手前味噌になりますが、僕が以前勤務していた北海道の幌加内町では水痘、おたふくかぜ、ヒブ、小児用肺炎球菌、HPV(中学生)、インフルエンザ(中学生以下)ワクチンの6種任意ワクチンの公費「全額」助成(自己負担なし)を行っています。
人口や自治体の財政状況によっては、全額助成が難しいところもあるかも知れませんが、道路を掘りおこしてまた固める予算があるなら、すくなくとも一部助成は可能でしょう。
助成がない自治体では、町や市の議員さんや行政に接種費助成の要望をするのも案外有効だと思います。
子どもが子どもとして輝く時間は限られています。
子どもをちゃんと守る世の中にしていきましょう!
(総合内科部門 坂西雄太)
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