2010年12月31日

サヨナラ2010

今年もあと2時間ですね。

個人的には今年は3月まで北海道で勤務し、
4月から佐賀に戻り生活と仕事はがらりと変わりましたが、
新しい地域医療支援学講座の立ち上げから関わらせていただいて
アッちゅー間でしたが、楽しい1年でした。

今日は、日本一の蕎麦産地である北海道幌加内(ホロカナイ)から送っていただいた新蕎麦で蕎麦を打ちました!

1kgずつを2回打ちました。
たった2回でも軽い筋肉痛。来年はもう少し運動しよう。

そして、先ほど蕎麦を食べました。
幌加内にいた3年弱で蕎麦打ちの指導していただいて、僕は素人蕎麦打ち二段を取得しているんですが
そんな素人の僕が打っても、幌加内の蕎麦はほんっとに旨いです。

幌加内のおそば屋さんから生蕎麦のお取り寄せもできますし、蕎麦粉も通販されています。
地域医療支援学講座の総合内科医育成コースに入っていただいたら、僕は蕎麦をいくらでも打ちますよ(笑)

来年度も講座を盛り上げ、地域医療に少しでも貢献できたらと思います。

脈絡のない文章になりましたが、みなさま、どうぞ良いお年を!
(総合内科 坂西雄太)

2010年12月24日

『国連ではたらく先輩から学ぼう』講演会のお知らせ

今日はクリスマスイブですね。
佐賀はホワイトクリスマスにはならなそうです。

さて、年明けそうそうに講演会を企画しています。
佐賀大学医学部OBの江副聡さんの講演です。
ちなみに江副さんは僕と同期です。って関係ないすね。


『国連ではたらく先輩から学ぼう』

平成13年佐賀医科大学医学科 卒業(18期)の江副聡(えぞえさとし) 先生をお迎えして講演会を行います。

江副先生は初期研修後に厚生労働省に医系技官として入省し、 ハーバード大学公衆衛生大学院、同大学ケネディスクール(行政学)への留学を経て、
現在ジュネーブのUNAIDS(国連エイズ行動計画)に勤務されています。

 今回、一時帰国中の講演会が実現しました。
医療行政や海外留学、国連などのキャリアについてお話していただきます!

日時: 2011年1月5日(水) 17:30~18:30

会場: 佐賀大学病院・卒後臨床研修センター 1階セミナー室
対象: 学生、研修医、医師、看護師、 ほかメディカルスタッフ

共催:佐賀大学病院・卒後臨床研修センター、総合診療部、
    佐賀大学医学部 地域医療支援学講座、国際医療研究会
 
事前の申し込みなどは不要です。
ぜひお越しください!
 
(総合内科 坂西雄太)

2010年12月20日

ざっくばらん家庭医療勉強会 in 佐賀 大盛況でした!

昨日は、第3回ざっくばらん家庭医療勉強会を佐賀で開催しました。

年の瀬もせまり、今回は参加者が少なくてもこんじまりとしよう。と、思っていましたが
予想をはるかに超える学生さん17名、医師18名と多くのみなさんに参加していただきました。

今回は4つのセッションを行いました。
1つ目が本講座教授の杉岡先生による『家庭医のための臨床疫学(EBM)入門』。

もともとの「臨床疫学」という言葉では世間にあまり流行らず(?)「EBM:Evidence Based Medicine」という言葉が発明されてから、一気に世間に広まったとのこと。ネーミングって大事ですね。

『臨床疫学とは、あくまで日常の臨床行為を合意的に行うためのツール』ということを強調され、感度・特異度についても新型インフルエンザにまつわる臨床問題で解説されました。
学生さんたちにはEBMというとなんとなくデータをいじくり回して難しいという印象だったようですが、「臨床のための」EBMということがわかると興味が高まったようです。


2つ目は佐賀大学病院・総合診療部の小泉俊三教授による『総合医と家庭医について』。
日野原重明先生による「新老人の会」の紹介から始まりました。日野原先生は99歳ですがいまでも全国を飛び回っておられ、高齢になっても「新しいことをはじめること」をアピールされています。また、僕も初めて知ったのですが、小泉先生は「新老人の会」の佐賀支部長とのことです。

そして日本の総合診療部の歴史から本題に入りました。日本で初めに総合診療部ができた国立大学が佐賀(医科)大学で、私立大学が川崎医科大学です。
総合医も家庭医も「臓器にこだわらず、患者さんの抱える問題に対応する」ことが大きく共通しています。病院総合医(Hospitalist)と家庭医(Family Physician)は、働く場所(総合病院とクリニック)と入院患者の有無、専門医制度がまず大まかに異なります。ただその中間で働いている総合医・家庭医も沢山いて、明確な線引きができないこともあります。
いずれにしても、どちらも今後の日本の医療に絶対必要な存在です。

ここまでで午前の部が終了。

お昼は会場である卒後臨床研修センターの2階でみんなでお弁当を食べました。
佐賀のB級グルメを味わっていただきたかったので「シシリアンライス」です。

午後は、アイスブレイクのグループゲームでスタート。
優勝チームには佐賀銘菓の丸ぼうろを進呈しました。


3つ目のセッションは唐津市民病院きたはたの江口幸士郎先生と西川武彦先生による『腰の診察法』。
お二人の先生はともに家庭医療専門医です。
今回はおもに神経診察についてで、お二人による「診察室コント」から始まり、ステテコ(?)に骨盤、神経、デルマトームを描きこんだ姿の西川先生を使って(笑)解説があり、その後に各自で診察法の実技練習を行いました。
会場には整形外科の先生も参加されていたので、その先生にも指導をしていただきました。
なかなか授業や実習では、じっくり時間をかけて診察法を学ぶ機会がないとのことで、毎回このセッションは学生さんにも好評です。


4つ目は僕が『医療行政超入門~ワクチン行政を中心に~』を行いました。
まず世界と日本の医療の比較で、OCED諸国との比較を行い、日本の急性期病床数やCT・MRIの数などはずば抜けて多いので、医師数はOCED平均の2/3程度であり医師一人ひとりの負担がわかります。また医療費の増加がマスコミなどでも取り上げられますが、GDPに占める社会医療費の割合は、OCEDの平均より低くなっています。
次に日本国内の財政状況と国民医療費、高齢化社会が加速することなどをお話しました。
高齢者は多くの合併症を抱えており、総合医・家庭医による、より総合的な診療が必要になります。今後の超高齢化社会に対応するためにも、もっと多くの総合医・家庭医が必要です。

そして、医療行政を理解するために、ワクチン行政についてお話しました。
日本はワクチン後進国で、残念ながら先進国のなかで最もワクチン政策が遅れています。
世界標準のワクチンプログラムよりも10年以上遅れています。
このワクチンギャップの原因として①米国のACIP(Advisory Committee for Immunization Practices:予防接種諮問委員会)にように国から独立したワクチン専門機関がワクチン行政に関与していなかったこと②ワクチンの有害事象に対する無過失補償制度・免責制度がなく、裁判での敗訴により国がワクチンに対して消極的になったこと③国民に対するワクチンの情報提供不足と予防対象疾患に対するサーベイランスの不足、を挙げました。

 また、地方自治体の取り組みの紹介として幌加内町による6種任意ワクチン(インフルエンザ、Hib、水痘、ムンプス、HPV、小児用肺炎球菌ワクチン)の公費全額助成制度の経緯をお話しました。
医学生にとっては政治や行政というと遠い世界のように感じるかも知れませんが、実は医療に直結しているということを感じてもらえたら、と思います。


最期に佐賀大学5年生の横山さんから「第23回学生・研修医のための家庭医療学夏期セミナー」の紹介がありました。

さらにそのあとは各参加施設の後期研修プログラムなどの宣伝大会になりました。

飯塚病院総合診療部では、先日よりUstreamで番組「飯塚病院TV」を持たれています。

唐津市民病院きたはたでも後期研修プログラムがスタートします。

もちろん、当講座も総合内科医育成プログラムがございますよ。


そんなこんなで勉強会は大盛況のうちに終了しました。


んで、第2部として希望者による懇親会を大学近くの居酒屋で行いました。
文字通り「ざっくばらん」にいろんな大学や施設の医者と学生が熱く(暑苦しく?)語りあい、またバカ話で笑いました。

毎回、思いますが目を輝かせた学生さんたちと飲むのは僕ら医者も明日への活力になります。

前回からの恒例で飲み会の場で、次回の開催地が決定されました。

次回、第4回の勉強会は
2011年4月23日(土曜)
です!みなさん、予定をあけておいてくださいね。

また、わいわい楽しみながらともに学びましょー

(総合内科 坂西雄太)

2010年12月17日

佐賀大学 キャリアデザイン講座でお話しました

12月15日に佐賀大学(本学)でキャリアデザイン講座で講義をさせてもらいました。

この講座は、各分野の佐賀大学OG・OGが学生さんにそれぞれの分野について話をし、学生さんに将来の目標の参考にしてもらったり学生時代の充実をはかるのが目的です。

僕は医学部OBとして今回お話をさせてもらいました。

僕が学生のときは、まだ佐賀医科大学で、佐賀大学と統合されていなかったんですが
医大の小さなキャンパスで学生時代を送った僕たちは佐賀大学のキャンパスライフに憧れたものです。まさか自分が本学で講義をする日が来るとは思ってもいませんでした。

文化教育学部、経済学部、理工学部、農学部の1~3年生が合計で300名弱も受講してくれました。

北海道幌加内町での地域医療の経験を中心に、日本のワクチン行政事情、幌加内の任意ワクチン無料化、総合診療などについてお話しさせてもらいました。

そして社会人として「自分がしたいこと、よりも、住民や社会に対して自分に何ができるか、も大事」だよーとお話しました。

今日、学生さんたちの感想が手元に届きました。
まだ全部は目を通せていないのですが、普段はほとんど医療の話を聞く機会がないので新鮮だった、日本がワクチン後進国であることがわかった、自分も社会のために働きたいなど
前向きな感想を多くいただきました。

せっかく同じ大学になったので、医学部以外の学生さんとももっと交流したいと思いました!

明後日は、いよいよ「ざっくばらん家庭医療勉強会 in 佐賀」です。
当日の飛び入りも大歓迎です!

(総合内科 坂西雄太)

2010年12月8日

ざっくばらん家庭医療勉強会 in 佐賀のお知らせ

12月19日(日)に佐賀大学病院 卒後臨床研修センターで、
九州家庭医療ネットワーク主催の第3回ざっくばらん家庭医療勉強会が開催されます。

九州家庭医療ネットワークは、家庭医療・プライマリケア・地域医療に興味のある九州の医学生が中心に立ち上げたネットワークです。

今年度より勉強会を始め、飯塚病院総合診療部・唐津市民病院きたはた・長崎大学へき地医療再生支援教育機構・佐賀大学地域医療支援学講座などの医師が講師をつとめています。

「ざっくばらん」に大学・施設間の壁を越えた、医学生同士やと医師との交流も目的にしていますので、お気軽に参加してもらえればと思います。


【期日】2010年12月19日(日)

【時間】11:00~16:00予定 (17:00~ 懇親会:参加自由、別会場)

【会場】佐賀大学医学部附属病院 卒後臨床研修センター セミナー室

【対象】医学生、看護学生、医師、看護師

【参加費】750円(昼食込) 
 シシリアンライス(佐賀のB級グルメ!) or 幕の内弁当をお選び下さい

【申込〆切】2010年12月16日(木) 21時

※当日参加も可能ですが、その場合には昼食は各自でご用意下さい。
  昼食不要の方も別途お申し付け下さい。

【内容】 「総合医・家庭医について」「臨床疫学(EBM) 入門」
               「医療行政入門」「腰の診察法」など

【講師】*佐賀大学医学部附属病院 総合診療部 小泉俊三 教授
     *同 地域医療支援学講座 杉岡隆 教授
     *同 地域医療支援学講座総合内科部門 坂西雄太講師
            *唐津市民病院きたはた(家庭医療学専門医) より 
          
             他にも多施設より講師来場予定です!


現在、すでに佐賀大学以外にも熊本大学や長崎大学の学生さんから申込みがありました!

お申し込み・ご質問・その他ありましたら、下記までお願い致します。
(あっと→@にかえてください)

*佐賀大学医学部医学科5年:横山* 
 avemundiluminar1985あっとyahoo.co.jp

*佐賀大学 地域医療支援学講座:坂西雄太* 
 sakanishあっとcc.saga-u.ac.jp

2010年11月29日

医療の質・安全学会に行ってきました

週末は、幕張メッセで開催された「医療の質・安全学会」に行ってきました。

「任意ワクチン公費全額助成に関する北海道幌加内町の先駆的取り組み」と題して『地域医療』のセッションで発表しました。
幌加内町の助成制度について前回は、医療者側から地域の保健・医療について行政に対して積極的に提案し関わることが大切だと発表しましたが、今回は「行政側からの視点」で発表しました。
医療者と行政(そして住民)どちらともに地域医療・予防医療に理解がなくては、有効な保健・医療政策は実現できません。

幌加内町では町立国保病院が町内唯一の病院であり、町立病院の医師が町の保健福祉総合センターのセンター長を兼任しているのが特徴です。センターでは月数回、住民の福祉・介護サービスについての会議などがあり、医師、行政(保健福祉課)、社会福祉協議会の方々とのコミュニケーションが良くとれ連携が取れています。
また町の保健・医療政策の立案から実行までの全ての過程で、医師・保健師が関わります。

予防医療のひとつとしてワクチンはとても重要ですが、ワクチンの効果を最大限に発揮させるためには高い接種率が必須です。

日本のワクチン行政には、いままで米国のACIP(予防接種諮問委員会)のように国から独立したワクチンの専門機関がなかったため(昨年、厚労省内に「予防接種部会」が発足したことは大きな進歩ですが、国から「独立」した機関ではありません)、専門家が関与できていませんでした。このことが世界に10年以上遅れた「ワクチンギャップ」を生みだした原因のひとつだと思います。

海外での実績で効果・安全性が確認されているワクチンによる疾病予防は「社会保障」として国による定期接種化が必要だと思います。
数ある病気のうち、ワクチンで予防できる病気はほんの少しですが、せっかくワクチンで予防できる病気を予防しないのは、とても歯がゆいです。
いまの「任意接種ワクチン」のままでは接種費用は全額自己負担となり、経済格差の問題があります。
またワクチンに関する正しい情報が少ないため、いまだに国民にワクチンに対する根強い不安があるように思います(逆に最近のHPVワクチン報道のように、ワクチンさえしていれば大丈夫という過信も問題です。幌加内では町立病院の医師が中学生と保護者にHPVや子宮頚がんについて講演をして、理解してもらってから希望者に接種しています)。
つまり、これはワクチンに限らないことですが、現状では経済格差と情報格差が「健康格差」になっています。これらの改善には行政の力が不可欠です。

先日、今年度の補正予算案が通り「ヒブ、小児用肺炎球菌、HPVワクチンに対する公費助成(ただしこれらのワクチンの公費助成を行っている自治体のみへの国からの補助。今年度と来年度のみ)」が決まりました。
これは、いままでと比べると大きな一歩ですが「定期接種化」されたわけではなく、救済制度などの法律上の問題はまだ解決されていません。
また、いままで助成制度のなかった自治体に住んでいる方は「助成制度」が始まるまでワクチン接種を待ってしまうことも予想され、そのことも心配です。
ヒブや肺炎球菌は子どもの細菌性の髄膜炎の2大原因であり、感染症は「助成」を待ってはくれません。子ども手当を使って、ぜひできるだけ早くから(生後2カ月から)接種してほしいと思います。

幌加内町はもともと予防医療や子育て支援に力を入れていましたが、これらの格差を解消すべく、平成20年度~インフルエンザワクチン(中学生以下)、
平成21年度~ヒブワクチン、水痘、ムンプス(おたふくかぜ)ワクチン、
平成22年度~小児用肺炎球菌ワクチン、HPV(いわゆる子宮頚がん予防ワクチン)ワクチン(中学生女子)の公費全額助成(⇒経済格差を解消)を行っています。
さらに医師・保健師が協力して住民にワクチンや助成制度について積極的に広報し(⇒情報格差を解消)、高いワクチン接種率を達成(平成21年度の7カ月未満児のヒブワクチン接種率は78.6%)(⇒健康格差の縮小へ)しています。

よく「幌加内は人口が少ないから、少ない予算で実現できたんでしょ?うちは人口が多いから~」と言われますが、大切なのは地域ごとに「いまの状況を少しでも改善するにはどうするか」を行政・医療者・住民が一緒に考えて、できることから取り組むことだと思います。
「全額」助成が無理でも一部助成をしたり、情報提供を行うことは工夫次第でいくらでも可能だと思います。たとえば子宮頚がんについては、ワクチン以外にも子宮がん検診の受診率を上げる工夫や中高生からの性(感染症)教育など、ほかにも大切な情報をきちんと伝えることも大切です。


大事なのは地域のことを真剣に考えている人間が知恵を出し合って協力することだと思います!!

…ついつい熱くなってしまいました。

医療「政策」は、医療の論理だけではなく、政治や経済の論理ももちろん絡んでくると思いますが、医療者としてはせめて「医療・医学の論理」だけは行政に理解してもらいたいので、幌加内町のように医療者からの意見を政策立案に取り入れるシステムは重要だと思うのであります。

発表した会場には残念ながら行政関係の方はおられないようでしたが、僕と同年代の医師や看護師の方が熱心に聞いてくださってとても嬉しかったです。
できるところから少しずつ、良くしていきましょー

今回の医療の質・安全学会には、
佐賀大学病院・総合診療部からは

『大学病院の診療連携を基軸とした佐賀県診療録地域連携システム(pica pica LINK)の推進(江口有一郎先生)』
『女性新規患者の疾患分布からみた、大学病院総合外来の地域医療における役割(西井緑先生)』
『多職種からなるチーム医療によるメタボリックシンドロームに対する外来クリティカルパス(江口先生)』
『大学病院総合医による診療データ共有システム(pica picaリンク)の利用経験(副島修先生)』
の発表がありました。

佐賀大学病院・卒後臨床研修センターの江村正先生は『模擬患者グループの協力で行っている研修医のコミュニケーション教育の紹介』を発表されました。
あ、今回の学会の大会長は同・総合診療部の小泉俊三教授で、会長講演として『今、あらためて医療コミュニケーションを問う』がありました!

また「医療の安全・危機管理」についてや、今回の学会のテーマは「いま、あらためて医療コミュニケーションを問う」ということで医師・患者コミュニケーションについても講演が多くありました。

そのうちのひとつで、EBMでおなじみの名郷直樹先生の教育講演『患者と医者は話が通じているか:患者と医師とのギャップを直視する』もとても面白かったです。
『問題は患者と医師の情報格差ではない。現象と流布される情報の格差である。』(名郷先生のツイートより)ということで、その格差、ギャップを縮めるためには構造主義科学論に基づいて医療を語ることが大切とのことでした。
コーゾーシュギカガクロンというと何やら難しいですが、現象(現実に起こっていること)と世間に流れている情報とのギャップを自覚・理解するための方法論のようです。

詳しくは名郷先生の著著やホームページをじっくりご覧ください。僕も勉強しようと思います。
また佐賀大学病院・感染制御部の青木洋介先生の教育講演『感染症医療の質向上に求められるもの』も勉強になりました~


佐賀から幕張まではなかなか疲れましたが、いろいろと刺激と出会いがあり、また頑張ろうと思いました!
(総合内科部門 坂西雄太)

2010年11月19日

ホームページがリニューアルされました!

佐賀大学医学部 地域医療支援学講座のホームページがリニューアルされました!

当初、僕がホームページ作成ソフトでつくったものは、「素人感全開」だったんですが
(まあ、それはそれで思い入れはあったので個人的には好きでしたが(笑))

Webデザインなどに造詣が深い、当講座の事務職員であるNさんが今回、リニューアルしてくれました!


内容は基本的に今までのものと同じですが、いくつかのページをまとめてもらい、
Flushやイラストも多数盛り込まれて、ステキな感じになっちょります。

どうぞ、ご覧ください~
http://www.coms.med.saga-u.ac.jp/

(GIM さかにし)

2010年11月17日

第3回 総合内科ミニレクチャー終了

今回は「診療の診断疫学 第3回~感度・特異度の深イイ話~」ということで今までのアンケートで「ここのところをもっと知りたい。」というご希望に答えるために、診察や検査に関する少し深い話を数式なども織り交ぜて話しました。

また佐賀大学病院・医療情報部の協力も得て、初の試みとして、唐津市の離島診療所の先生にもネット中継で見ていただきました。

「へーっ、なるほどそういうことか!」と感じてもらえたら成功かなと思っています。


ところで、毎回素晴らしいポスターとタイトルを用意しているのはもちろん私ではなく、当講座講師のS先生と事務のNさんです。
今回のポスターは佐賀市のバルーンフェスタに因んだものです。

季節感あふれるセンスあるポスターとアトラクティブなタイトルはレクチャーをより華やかなものにしてくれています。
外見も中身も素敵なレクチャーを目指して次回も頑張ろうと思います。

なお、次回からは「治療の臨床疫学」に入ります。
「治す」と「治る」の違いなど、治療についても臨床疫学的に(面白く)考察してみたいと思います。

(総合内科 杉岡)

2010年11月15日

長崎大学の医学ゼミ

11月12日に長崎大学医学科4年生の医学ゼミ「へき地・離島医療学ゼミ」で講義をさせてもらいました。
医学ゼミは選択コースということで、「へき地・離島医療学ゼミ」は長崎大学病院へき地病院再生支援・教育機構の先生方が担当させていて5人の学生さんが選択されています。
へき地病院再生支援・教育機構については、ホームページに詳しく説明がありますのでこちらをご覧ください。とても熱い先生方が運営されています。


今回、その熱い先生方に声をかけていただき、「地域医療の魅力と実践」という内容で、僕の幌加内町での地域医療体験をお話させていただきました。
もちろん幌加内町の6種任意ワクチン公費全額助成の経緯についても詳しくお話しました。
講義時間は90分あったので、普段佐賀大学の学生さんに見せているスライドよりもボリュームアップして、70分スライド+20分質疑応答にしましたが、居眠りすることなく(笑)皆さん熱心に聴いてもらい質問も多くいただきました。


地域では生活者としても、医療者としても積極的に関わればとても「楽しい」世界が待っています。


そして「自分は医者として~~がしたい!」というのは医者のエゴであって、住民のために自分は何ができるのか、という医者の原点を見つめ直すこともできると思います。


講義のあとは学生さんたちと共に飲みに連れて行っていただきました。
そーめんの地獄炊き、美味しかったです!

長崎大学の皆さん、これからもよろしくお願いいたします。

あ、ちなみに翌日は休みだったので、10年ぶりに「亀山社中跡」に行ってきました。
昨年リニューアルされたそうで、ずいぶんきれいになってました。
やっぱり長崎は歴史があって楽しいですね~

(総合内科部門 坂西雄太)

2010年11月8日

日本医療マネジメント学会九州・山口大会で発表

11月6日に佐賀市で開催された日本医療マネジメント学会第9回九州・山口連合大会で一般演題発表をしてきました。

発表内容は、「医療機関と行政の連携により地域医療を支える~幌加内(ほろかない)町の6種任意ワクチン公費全額助成の取り組み~」についてです。

北海道にある幌加内町には、平成9年から佐賀大学附属病院・総合診療部から医師が派遣されていて、僕も今年の3月まで3年ほど幌加内で勤務していました。

幌加内町は医療者と行政の連携により、平成20年度~インフルエンザワクチン(中学生以下)、平成21年度~ヒブ、水痘(みずぼうそう)、ムンプス(おたふくかぜ)ワクチン、平成22年度~小児用肺炎球菌ワクチン、HPVワクチンの公費全額助成制度が始まっています。

予防医療の推進は地域医療を支える大きな手段の一つです。

そして予防医療の一つとしてワクチンはとても大事ですが、
世界的には定期接種化されている多くのワクチンが日本では任意接種のため全額自己負担となり(そして有害事象に対する救済額なども定期接種より低い)
またワクチンに対する一般の方への正しい情報が圧倒的に少ないため、
家庭の経済格差、情報格差が健康格差につながってしまう現状があります。


今回は、幌加内町の取り組みを通して
『医療者は、行政と共に地域医療を守るパートナーとして、行政に対して積極的に提言を行い予防医療政策・医療政策の立案に関与するべきである』
というメッセージを伝えたいと思いました。

現在、ようやく国会では今年度の補正予算で3種(ヒブ、小児用肺炎球菌、HPVワクチン)任意ワクチンの公費助成が審議されています。

幌加内のように医療機関と行政の連携がとれている自治体では、より迅速に適切な予防医療政策をとることができるのであります!

幌加内に限らず、日本全国において医療資源もお金も限られており、職種の壁を越えてみんなで(もちろん住民も含め)知恵と力を合わせていくしかないと思っています。

(総合内科 坂西雄太)

2010年11月5日

第3回 総合内科ミニレクチャーのお知らせ!

地域医療支援学講座presents の
第3回 総合内科ミニレクチャーの日程が決まりました!


『診療の診断疫学~感度・特異の深イイ話~』

11月15日(月) 18:00~
@佐賀大学病院 卒後研修センター1F セミナー室

今回はこれまでのお話から一歩進んでより深い診断・検査の理解へと誘います。
30分くらいのミニレクチャーです。

研修医、医師はもちろんのこと、学生さんも大歓迎です!
学外からのご参加もお待ちしております!
(事前の申し込みは不要です)

バルーンのある風景

今朝、通勤中の風景です。

朝のひんやりとした空気、透き通る青空と無数のバルーン。
嗚呼。

(GIM さかにし)

2010年11月4日

佐賀バルーンフェスタ

昨日は佐賀インターナショナルバルーンフェスタに家族で行ってきました。
このバルーンフェスティバルは毎年、佐賀市で開催されているバルーンの世界大会です。

この時期になると佐賀大学病院の近くまで毎朝、空に無数のバルーンが浮かんでいて、毎年感動してしまいます。

昨日は、午後から会場に行き、残念ながら風の関係で午後からのバルーン飛行は見られませんでしたが、会場には大きなテントがあり佐賀県内の美味しいものを食べ歩きしました!


 
11月3日~11月7日までバルーンフェスティバルは開催されます。

週末の6、7日は夜間係留(ラ・モンゴルフィエ・ノクチューン La Montgorlfier Nocturne)もロマンチックでおススメです!
また今日までは唐津くんち も行われていますので、唐津・佐賀観光どうでしょう!?
(総合内科 坂西雄太)

2010年10月22日

小城のシャンシャン祭り

 今週の日曜日に、佐賀県小城(おぎ)市の「シャンシャン祭り」というお祭りに参加しました。

以前は自分が「地域の一員」であることを特別に意識したことはありませんでしたが
今年の3月まで暮らしていた北海道幌加内町で地域医療の経験するにつれ、
当たり前のことながら自分が医者である前に、その地域に住む一住民であることを強く意識するようになりました。

春から住んでいる小城市は、奥さんの地元なので奥さんは昔からの知り合いが多いのですが
新参者の僕は、いろいろと地元のイベントに参加したりして地域の方々に知ってもらわないといけません。

で、ちょうど小城のお祭り「シャンシャン祭り」があったので家族で参加させてもらいました。
男衆は「神輿」、女衆は「踊り」があり、それぞれ小城本町通りを練り歩きます。

今回はお祭りが60周年ということで、かなり盛大に行われました。
朝には本町通りに露店も並び、鰻や地鶏、佐賀牛なども売られていました。

小さなお神輿でしたが、もともと軟弱な僕には、それはそれはきつかったのですが
豆絞りにハッピという格好でお祭り会場をうろつくのは初めての体験だったので
とても楽しかったです。

夜には近所の農協センターでお祭りの打ち上げがありました。
嬉野の芸者さんの登場やカラオケ大会もあり、それそれはディープな世界でしたが(笑)
とても楽しかったです!

I ♡ Ogi っす!

「小城羊羹」で有名な小城が気になったあなたは、小城市観光協会をチェック!

(総合内科 坂西雄太)

2010年10月21日

小川島診療所(佐賀県の離島診療所視察の巻)

昨日は、佐賀県 健康福祉本部 地域医療体制整備室のSさんと一緒に佐賀県にある5つの離島診療所のひとつである小川島診療所の視察に行きました。

小川島は唐津市の呼子から船で20分の距離にある、人口460人ほどの漁業の島です。
昔は捕鯨でとても栄えていたそうです。

現在は自治医大卒業の福田先生が勤務されていて、
看護師さん1名、事務の方1名の3名体制で
離島医療を頑張っておられます。

昨日はインフルエンザワクチン接種の患者さんが多く来られていました。


お昼は、民宿「小川島」で鯛定食をいただきました。旨かったっす!

これから地域医療支援学講座として、どんなサポートができるか、必要かを福田先生のお話を伺いながら考えました。

離島診療所と佐賀大学病院とのWebカンファシステムなどはすでに導入されているので、そういったものも有効活用したいと思います。


離島診療のお話は以前から伺っていましたが、やはり現場を見させていただくといろいろとわかることが多かったです。


帰りに唐津市役所保健福祉部地域医療課も訪ね、いろいろと意見交換をさせていただきました。

これからも関係部署が協力しあって、離島医療をサポートさせていただきたいと思っちょります!!
(総合内科 坂西雄太)

2010年10月19日

佐賀県女性医師支援窓口準備室

このたび、佐賀県女性医師等就労支援事業からの委託で
「女性医師の就労・復職支援相談窓口」が佐賀大学病院・卒後臨床研修センター・キャリア支援室内に設置されましたのでお知らせします!

現在、窓口事務局体制整備とホームページの作成準備中とのことですが、
ホームページが完成するまでの間、ブログで情報提供されるそうなのでご紹介します。

ブログはこちら「佐賀県女性医師支援窓口準備室」からどうぞ~
(当ブログのブログリストにも載せてマス)

以下、同ブログからです。


現在、育児や介護その他の理由により離職もしくは休職中、
あるいは「少し臨床現場から遠ざかっているのだけれど、また復帰したい」
と思っておられる女性医師のみなさんの復職やキャリア継続のお手伝いをさせていただくべく佐賀県の相談窓口を設置することになりました。


「現場復帰したいんだけど、新しい知識やスキルが少し不安」という皆さん、
あるいは、「これまでと少し違う分野での復職を目指したい」という皆さんには、あなたにあったテーラーメードの研修プログラムも御相談にのります。

その他、保育や介護についての情報提供や、スキルアップセミナーなども行っていきたいと思っております。
現在、事務局体制整備ならびにホームページ作成中ですが、完成までの間、このページでご案内をさせていただきます。

ご意見、ご要望もお寄せください。

お問い合わせあるいは御相談は下記まで

〒849-8501 
佐賀市鍋島5-1-1 
佐賀大学医学部附属病院 
卒後臨床研修センター内 キャリア支援室  Tel 0952-34-3359

2010年10月15日

希望するすべての子どもに予防接種を!

ご紹介するのが遅れてしまいましたが

現在、日本医師会と予防接種推進専門協議会(日本感染症学会、日本小児科学会など予防接種関連学会の代表者からなる)の共催で
希望するすべての子どもに予防接種を!キャンペーン」が行われています。

6つの任意接種ワクチン(ヒブ、小児用肺炎球菌、B型肝炎、水痘(みずぼうそう)、流行性耳下腺炎(おたふくかぜ)、HPV(ヒトパピローマウイルス)ワクチン)の定期接種化を目指して署名活動を行っています。

佐賀大学病院でも各部署で署名を募っていて、僕も研修医や学生さんたちから署名を集めました。


僕が以前に勤務していた北海道の幌加内町では上記6つのうち5つは公費全額助成をしているので(加えて中学生以下のインフルエンザワクチンも全額助成)、希望する子どもたちは無料で接種を受けることができます。

子どもの細菌性髄膜炎の主な原因であるヒブ(インフルエンザ菌B型)や肺炎球菌のワクチンは、0歳児で接種するのが望ましいのですが、全額負担の場合、それぞれで3万円以上かかってしまいます。経済格差が健康格差につながり得る現状です。
実際、幌加内町では助成制度導入前後でヒブワクチンなどの接種率を比べると、助成後の接種率はかくだんに上がっています。

佐賀県では現時点では、これら6つのワクチンのうち、ヒブワクチンのみ今年度から小城市が公費助成を行っていますがそれ以外の自治体で助成は行われていません(成人用の23価肺炎球菌ワクチンの助成は基山町、吉野ヶ里町、多久市などで行われています)。

全国的に予防医療に対する意識の高い自治体は、その規模の大小に関わらず公費助成を行っていますが、本来はたまたま住んでいる地域で「差」があっていいものではありません。

ワクチンは贅沢品ではなく「社会保障」的なものだと思いますので、やはり国による定期接種化が必要だと思います。

締め切りが11月8日と迫ってきていますが、キャンペーンHPより署名一式がダウンロードできるようになっていますので、趣旨に賛同される方は是非、ご署名をお願いします!
(総合内科 坂西雄太)

2010年10月13日

禁煙なう?

先ほど院内の禁煙講習会(呼吸器内科準教授の林真一郎先生のお話)に参加してきました~

いろいろと勉強になったのですが、本日のポイントを少しだけ。

禁煙指導の三本柱

①タバコ依存は、ニコチンに対する身体的依存であり
  薬物依存であること
②禁煙の禁断症状は3日目がピークであること
③禁断症状の一時しのぎの方法を伝えること
    →はみがき、冷たい水を飲む、ミント菓子が有効

です!
ついでに④どこまで禁煙しても1本吸えば振り出しに逆戻り。です

禁煙を勧めるには、本人が禁煙への「準備期」に入っていることも大切です。
今月からタバコが値上がりし、禁煙を試みている人も多いと思います。

保険診療の禁煙補助薬には、ニコチンパッチとバレニクリン(チャンピックス)がありますが
なんと、急な需要(いままで月に7万人処方が、9月は17万人!)でバレニクリンが品薄状態になり、来年1月までは供給が厳しいらしいです。
http://www.pfizer.co.jp/pfizer/company/press/2010/2010_10_12.html

・・・うーむ、値上がりで需要増加は予想できたと思うのですが、テレビCMなどもあり予想以上だったのでしょうか。
せっかくの禁煙拡大のチャンスなのに~

タバコ、禁煙に関する話題はまだまだつきませんが、今日はこの辺で短く終わります。
(総合内科 坂西雄太)

2010年10月8日

ざっくばらん家庭医療勉強会 in ももち

先週末10/2に、九州家庭医療ネットワーク主催の第2回「ざっくばらん家庭医療勉強会 in ももち」に参加しました。

今回はスペシャルコラボ企画として、飯塚病院に定期指導に来られているピッツバーグ大学メディカルセンター医師による医学生・初期研修医向けセッションも合同開催されました。

 医師21名、医学生・看護学生25名の計46名が参加されました。


レクチャー、セミナーの内容は以下のとおりです。
1)テリー・スティルウェル先生(小児感染症専門医)によるレクチャー
  “米国小児感染症専門医研修の一日”

2)チャールズ・マケット先生(家庭医)と飯塚病院・家庭医療レジデント大杉先生によるケースディスカッション
  “外来で禁煙してもらうには”

3)頴田病院 本田宜久先生によるレクチャー  
  “米国ファミリーヘルスセンター見聞録”

4) 九州家庭医療ネットワーク主催 実技体験セッション
  唐津市民病院きたはた 指導医 西川武彦先生、江口幸士郎先生
  “膝はこうやって診察しましょう”

スティルウェル先生の講義では、米国小児医療の実情がわかりました。
マケット先生の講義では、禁煙治療を進めていく上でのポイントのわかりやい解説がありました。

本田先生の講義では、米国のクリニックの設備の様子や、それを日本によりよいものとして導入するにはというディスカッションが繰り広げられました。

西川先生、江口先生の講義では、普段とっつきにくい「膝の診察法」の実技指導がありました。

ピッツバーグの先生たちの講義には、飯塚病院の吉田伸先生が通訳をされたので、英語が得意でないひとでも安心して参加することができます。

またランチタイムや懇親会で直接、米国の現場のお話を聞くこともできます。

僕がスティルウェル先生とお話して印象的だったのは「日本は米国よりも子どもへの検査の回数が多い」との指摘でした。
僕は、それは国民皆保険のため検査がしやすいからでは?と答えましたが、彼女は「いや、そうであっても検査は侵襲を伴うので必要最低限にすべき」とのことでした。
検査前確率や、本当に検査結果が治療方針に影響するのか、臨床経過にみで判断できないか、などもう一度わが身も振り返らないといけないな、と思いました。

当日の会場は、飯塚病院の経営母体である飯塚グループの麻生塾研修センターでありました。
百道(ももち)に立地するビルの9階にセンターがあり、休憩室からの眺めはSo NICE!!でした。

そして勉強会のあとは会場近くで懇親会がありました。

30名ほどが参加し、勉強会のタイトル通り「ざっくばらん」な雰囲気で、ピッツバーグの先生や飯塚病院、唐津市民病院きたはたの先生方とも楽しくお話ができました。

そして、なによりも目をキラキラさせた学生さんたち(佐賀大、熊本大、産業医大、久留米大など)とお話ができて、とても嬉しかったです。
そんな嬉しさとビールの勢いで(というか吉田先生や西川先生の陰謀で?(笑))

次回、第3回九州家庭医療ネットワーク「ざっくばらん勉強会」は、佐賀で開催することを宣言してしまいました!
開催時期はおそらく12~3月ころになるかと思います。
会場は佐賀大学病院敷地内の卒後臨床研修センターを予定しています。

地域医療支援学講座のみならず佐賀大学病院・総合診療部や卒後臨床研修センターの先生方にもご協力していただく予定です(もちろん佐賀大・学生のみなさんもよろしくお願いします)

施設間の壁をひらりと超え、この勉強会を通しての繋がりが九州の、ひいては日本の、いや世界の(笑)、家庭医療・地域医療の発展のためになると信じています!

(総合内科 坂西雄太)

2010年10月6日

総合内科「ミニ」レクチャー 2回目 無事終了

10月4日(月)総合内科「ミニ」レクチャーの2回目、
「診断の臨床疫学~どの結果を信じる?~」が無事終了しました。

今回も学内、学外合わせて20名以上の方に来ていただき大変嬉しく思います。

今回は、検査前の情報も検査結果も、(重みの違いはあれ)いずれも同様に疾患の可能性を示唆する情報であるということ、また「外さない診断」をするためには個々の情報から疾患の可能性を考慮して判断すること、について健診での血圧値の判断を例にとってお話しました。

診断学や総合内科・総合診療、さらには臨床研究に興味を持つ学生さんや若い先生が実は多いということをこちらに来て知りました。

彼らの知的好奇心を満たせるような話をしたいと心がけています。

そのためには私自身も常に勉強し直さねば・・・。大変ではありますが、遣り甲斐のある仕事ができることを有り難く思っているところです。

(総合内科 杉岡隆)

2010年10月1日

在宅ネット・佐賀 立ち上がる!!

今日の佐賀市は抜けるような青空です。
早いもので10月になりました。今年もあと3ヶ月ですね。
4月に本講座が立ち上がり半年。もっと長い時間が流れたようにも、アッという間だったようにも感じます。

さて、昨夜は杉岡教授とともに第1回 在宅ネット・佐賀の立ち上げ会に参加させていただきました!

以前、このブログでもご紹介(こちら)したように長崎には長崎在宅Dr.ネットというネットワークがあり全国各地でこのようなネットワークが立ちあがっています。

今回 佐賀県でも関係者のコミュニケーションを活性化し在宅医療・ケアをより良く、よりスムースに進められるようにと、佐賀市内で開業されている満岡内科消化器科医院の満岡聰先生を中心に「在宅ネット・佐賀」が立ち上がりました。

昨夜は佐賀市内で初会合(兼懇親会)があり、佐賀市内の開業医の先生方を中心に、訪問看護ステーションの看護師さんや薬局の薬剤師さん、そして地域の総合病院、中核病院からは佐賀大学病院、佐賀県立病院、NHO佐賀病院、富士大和温泉病院、ひらまつ病院(ひらまつレディースクリニック・在宅医療支援診療所)、副島病院、佐賀記念病院、佐賀リハビリテーション病院から医師が参加されました。

今後さらに多くの訪問診療に協力できる開業医、施設の参加を募るとのことでした。

また、佐賀大学病院医療情報部の高崎先生により「在宅ネット・佐賀」のホームページ(http://liberty.med.saga-u.ac.jp/zaitaku-net/)も作成されています。

昨夜は短い時間でしたが、地域で活躍されている方々と直接お話しができ楽しい時を過ごせました。
また佐賀の在宅医療ネットワークの幕開けに立ち会うことができて、とてもワクワクしました。

今後も在宅ネット・佐賀での会合や勉強会を通して、いろいろなことを学ばせていただこうと思っています。

なお、10月31日には第1回在宅医療推進フォーラム九州ブロック大会が福岡国際会議場で開催されます。佐賀県からひらまつ病院の鐘ヶ江先生と佐賀県看護協会訪問看護ステーションの上野看護師がシンポジスト参加されます。
在宅医療に興味のある方は、是非ご参加ください!
(総合内科 坂西雄太)

2010年9月19日

第2回 総合内科「ミニ」レクチャー 日程決定!

前回、多くの方に参加いただいた総合内科「ミニ」レクチャーの第2回を行います。

日時:10月4日(月) 18:00~
場所:佐賀大学病院 卒後臨床研修センター 1階セミナー室

今回もメインテーマは臨床疫学(EBM)で、検査結果・データの吟味について杉岡隆教授がお話します。

学生さんや研修医以外の医師、また学外からの参加も大歓迎です。
とくに申し込みも必要ありませんので、みなさんお気軽にお越しください!

2010年9月10日

ワクチンの未来を考える(その2)

続きです。


次に民主党・衆議院議員の吉田統彦さんの講演。

吉田議員は医師でもあり党内の「適切な医療費を考える議員連盟」にも所属し「感染症・ワクチン政策ワーキンググループ」の事務局長をされています。
ご自身も医師として重篤な細菌性髄膜炎の乳児を担当されたことがあるそうです。子どもたちを守るのはもちろん、保護者や小児科医の負担を減らすためにも、そして抗菌薬の過剰使用や医療費の削減など多くの利点からも髄膜炎関連ワクチンの重要性と接種費用の公費負担などの必要性を訴えられました。

現在、来年度の予算概算要求で「子宮頸がん予防対策強化事業」として150億円が計上されていますが、髄膜炎関連ワクチンについては要求されていません(「子宮頸がん予防対策強化事業」の論点については、細菌性髄膜炎から子どもたちを守る会の高畑さんの記事をぜひ、読んでください!
http://medg.jp/mt/2010/09/vol-276.html#more)。

吉田議員は秋の臨時国会で髄膜炎関連ワクチンについても特別枠として予算概算要求をしたい、今回のHPVワクチン助成をわが国の遅れているワクチン行政改善の突破口にしたいと言われていました。
臨時国会に注目しましょう!

また日本版ACIPを厚労省内ではなく、独立した機関とすべきとの主張されていました。
これは不安定な政局や官僚の影響を受けずに、公正で長期的なワクチン政策を検討するためです。

なお、吉田さんに「北海道幌加内町での6種任意ワクチン公費全額助成」について以前僕が作った資料(幌加内町における平成21年度のヒブワクチン接種率は55.6%(7ヶ月未満児では78.6%)を、公費助成が接種率向上につながった一つの事例としてお渡ししました。


最後に鹿児島大学病院・感染症制御部門の西順一郎先生が、鹿児島県におけるヒブワクチンの髄膜炎予防効果について講演されました。

鹿児島県は現在、8つの市町でヒブワクチン公費助成がなされています。県全体の人口の1/3を占める鹿児島市でも助成があるため、県全体の0歳児のうち54%が補助自治体に住んでいる計算になるそうです。

2009年のヒブワクチン出荷数からのワクチン接種率の推定では、1歳未満児が35.2%(5歳未満児11.2%)で、鹿児島県内の小児ヒブ髄膜炎の数は2010年の8月までで3例で昨年同時期では8例でヒブワクチンの効果が現れているのではないか、とのことでした。

ワクチンは接種率が上がるとワクチン未接種のひとの感染リスクも減り、このことを「間接効果」と呼びます。海外のデータでは、ヒブワクチンの間接効果として「接種率が30%だとヒブ重症感染症が50%減少し、接種率50%では70%減少」という報告があるそうです(Moulton LH,et al.Int J Epidemiol.2000;29(4):753-6)。

鹿児島県ではヒブワクチンの安全性調査も同時に行われています。今後、ヒブ髄膜炎の罹患数、ヒブワクチンの接種率、その効果や安全性について全国各地からのデータの集積が必要です。


現在、厚生労働省の「予防接種部会」では髄膜炎関連ワクチンを含めた8種(ヒブ、肺炎球菌、HPV、水痘、ムンプス、B型肝炎、ポリオ、百日咳)ワクチンについて、今後の予防接種法の対象となる疾病・ワクチンのあり方が議論されています。

専門的な議論を深めると同時に、国民のワクチンに対する不安・心配を払拭するためには責任機関によるワクチンの正確でかつ、わかりやすい情報を国民に提供しなければならないと思います。そして、ホームページのここを見ればすぐに情報が見れますよと言った具合に簡単にアクセスできる必要があります。
また根拠のない「都市伝説的な」(しばしば、大手新聞などのマスコミでさえ間違った情報を流していることがあるのも大問題ですが…)デマ情報もきちんと否定し説明が読めるコーナーも必要と思います。

もちろん、ワクチンで予防できる病気についてもワクチンのみが大切なのではなく、それ以外の予防法など(たとえば子宮頸がんでは、定期的ながん検診受診(子宮頸がん検診の受診率は欧米で7-8割に対し、なんと日本は3割以下です。トホホです。)やコンドーム使用、性交開始年齢を遅らすなど)も同時に提示すべきと思います。

また小学校や中学校からの「予防医療」教育も必要だと思います(医学部の学生教育でさえ、ほとんど「予防医学」「予防医療」についての授業がないのも問題だと思いますが)。

つまらない「壁」を取っ払って、科学的で実践的なワクチン政策を決定する仕組みが本当に必要と思います。

(総合内科 さかにし)

2010年9月8日

ワクチンの未来を考える(その1)

8月28日に博多で開催された第20回日本外来小児科学会の年次集会に参加しました。

昨年、僕が幌加内町国保病院に勤務しているときに細菌性髄膜炎から子どもたちを守る会の皆さんから声をかけていただき、同学会でのシンポジウムで幌加内町の任意ワクチン公費全額助成の経緯についてお話させていただきました。

今回は、受講者としてシンポジム「髄膜炎関連ワクチンの導入経緯からワクチンの未来を考える」(座長:細菌性髄膜炎から子どもたちを守る会副代表/耳原病院小児科の武内一先生)に参加しました。

「2008年12月から接種可能となったHibワクチンは4回で約3万円という価格に、緩和されつつあるが供給不足が続き、今年2月発売の小児用肺炎球菌ワクチンは安定して供給されているが4回で約4万円かかるため、普及は十分進んでおらず、いまも接種を待つ子どもたちに髄膜炎が発症するという事態が繰り返されている。しかし、ほとんどすべての海外先進国では、これらワクチンを定期接種化することで、小児の主要な重症感染症は過去の疾患となり、時間外診療の軽減をはじめ小児医療の負担が大幅に緩和されている。」(抄録より抜粋)という国内外の背景があります。

「細菌性髄膜炎から子どもたちを守る会」からは事務局長の高畑紀一さんと会長の田中美紀さんより講演がありました。

同会は、細菌性髄膜炎に罹患した子どもたちの保護者の方々を中心に活動されている会です。髄膜炎関連ワクチン(Hibワクチン、小児用肺炎球菌ワクチン)の定期接種化を求め過去3年間で計4回のべ20万筆の署名を集め、厚労省や衆参両議院長への請願や、厚労省大臣・副大臣にも陳情されています。それ以外にもセミナー、シンポジウムやメディアでの情報発信なども行われています。
かつて日本のマスコミではワクチンの副作用ばかりが強調され、作為過誤(「するべきでなかったのに、した」)を重視する世論が作られたことが日本のワクチンギャップ(ワクチンラグ)、ワクチン後進国の原因の一つになりました。ワクチンの有害事象を0.00%にすることは困難ですが(これはワクチンに限らず、一般の薬についても言えます)、「ワクチンを接種しないことによる被害者の存在(不作為過誤「するべきだったのに、しなかった」)もしっかりと認識すべきと守る会のお二人も主張されていました。
日本では米国と比べ、ヒブワクチンの導入は20年遅れました。この20年で救えなかったヒブ髄膜炎で亡くなった子どもたちは概算でも600名、後遺症は負った子どもたちは1800名と考えられています。有害事象が起きた際の補償の充実も必要です。
また今まで小児科医などワクチンの必要性を説く声は絶えずあがっていましたが、これからはワクチンを受ける側(国民)からも声を上げ議論に参加したうえでの、国民的合意の必要性も訴えておられました。
そして現在、髄膜炎関連ワクチン(ヒブ、小児用肺炎球菌ワクチン)は任意接種のため全額自己負担になりますが、一部自治体では公費助成を行っており(ヒブワクチンの接種費用助成を行っている自治体は全国の約12%だそうですhttp://www.wam.go.jp/wamappl/bb11GS20.nsf/0/eb138d955652bfd14925775a0025c057/$FILE/20100708_2shiryou8-2.pdf)、
経済格差や地域格差が「いのちの格差」になっていると指摘され、これらのワクチンの定期接種化の必要性を説かれていました。

次に「米国のワクチン事情~細菌性髄膜炎ワクチンとACIP~」というテーマで国立感染症研究所感染症情報センターの神谷元先生から講演がありました。
神谷先生はご自身の米国での保健所(のような施設)での勤務経験も交え米国のワクチン政策決定の過程を説明されました。

米国にはACIP(Advisory Committee on Immunization Practices:予防接種の実施に関わる諮問委員会)という国から独立した組織があります。
ACIPはワクチンの専門家のみならず多方面の代表者が一同に会して科学的な根拠に基づいたオープンな議論を行い、ワクチン行政への指針を作成し国に助言して、これが政策に反映されます。また現行のワクチン政策の評価と改定を検討したり、ワクチンの品質・安全性もACIPでモニタリングされます。そして、これらのためには現場から正確で膨大なデータの集積が必要です。

現在、日本版ACIPの必要が叫ばれていますが、神谷先生が特に強調されていたのは「ACIPは氷山の一角であり、その水面下には現場の医師、研究者、保健所、製薬会社など多数の人々の協力・努力がある」ということでした。
形だけのACIPを導入するのではなく、それを支える大きな連携、システムを同時に作ることが必要です。
(「日本版」ACIPについては、神戸大・岩田先生や守る会・高畑さんのこちらの記事もご参照ください。http://blog.goo.ne.jp/idconsult/e/cf4e4a60fbae73f1806a83aad7963095http://medg.jp/mt/2009/09/-vol-245-acip.html


続く!
(写真は神谷先生とさかにし)

2010年9月7日

子ども救急の新システム

ご報告が遅くなりましたが、
8月21日に佐賀市で開催された第6回九州・沖縄小児救急医学研究会は無事に終了しました。

当日は救急の会ということで99名(って偶然です)の参加がありました。
佐賀大学小児科とその関連施設からは5名、本講座からは総合内科部門の坂西と小児救急総合部門の辻講師が発表を行いました。

小児救急医学研究会ということで、臨床に即した発表が多く勉強になりました。


当日はサガテレビの取材も入っており、その様子が…

STSサガテレビ かちかちワイド内の「健康バンバン!」で9月2日に放送されました!

当講座・小児救急総合部門の人見准教授が生放送で出演し、小児救急総合部門が取り組んでいる佐賀の「子ども救急の新システム」について放映されました。
かちかちワイドのホームページから(こちら)視聴できますので、是非ご覧ください!!

(総合内科部門 さかにし)

2010年8月31日

総合内科ミニレクチャー第1回始まる!

昨日、総合内科「ミニ」レクチャーシリーズ第1段「診断の臨床疫学~診断の達人への道~」を開催しました。

雷雨の中にも関わらず学生、研修医の皆さんをはじめ多くの方に集まっていただきました。
特に八女市の八女リハビリ病院から臨床疫学研究に興味を持った方々がたくさん来てくださったのはとてもうれしかったです。
おかげで講義にも熱が入りました。

臨床疫学は日常診療をより良くするための科学であり、日々の臨床を楽しく充実したものにするための視点を与えてくれるツールとも言えます。
臨床研究を行うための基礎でもあり、またコミュニケーションや診療態度にも適用できる考え方です。

これから定期的にレクチャーを続け、診断から治療、予防、ケア等、日々の臨床における臨床疫学的な考え方を伝えていきたいと思っています。

多くの方々の参加をお待ちしております!
(総合内科 杉岡)

2010年8月27日

在宅医療~午後から地域へ~

8月25~26日は日本医師会主催の社会保険指導者講習会を杉岡教授とともに受講しました。

今回のテーマは「在宅医療―午後から地域へ」で、とても興味がある分野なので楽しみにしていきました。

講習会は2日間に渡って朝から夕方まで、割とみっちりあり、在宅医療の各テーマごとに実地医家の先生方の講演を聞きました。

それぞれ勉強になったのですが、個人的には、
東京都リハビリーション病院の林先生の「在宅での維持期リハビリテーションの重要性、リハマインドをもった在宅医療、本人の楽しみにつながるリハ目標の設定」「骨関節疾患(ロコモティブシンドローム)には、認知・心理的要因や栄養状態なども関連していること」というお話や、
認知症介護研究・研修東京センターの本間先生の「今後ますます高齢者の単独や夫婦のみ世帯が増えるため、かかりつけ医による認知症の早期発見がより重要になること」、
新田クリニックの新田先生の「在宅医療は看取るためではなく、生きるための医療」、
野中医院・野中先生の「在宅医療はあくまで、患者本人や家族が選ぶもの」「治す医療(EBM)と支える医療(NBM)」「主治医ひとりではなく、チーム・地域で支える在宅医療」というお話が特に印象に残りました。

そのほか、尾道医師会や病院・診療所単位で在宅医療に取り組まれている事例の具体的なお話を聞くことができました。会場とのやりとりのなかでは、患者本人のみならず、いかに介護する家族をサポートするかが重要との議論もありました。

また、厚生労働省の医政局審議官、保健局医療課長のお話も聞くことができましたが、こちらは時間が短かく(特に鈴木康裕医療課長のお話はもっと聞きたかった)、会場との議論を持つ時間もなかったのが残念でした。

日本の昨年の年間総死亡者数は約114万人で、2025年には年間160万人を超えるという推計がなされていて多死時代に突入します。現在でも日本人の死因の第1位は「がん」ですが、今後ますますこの割合は増えていきます(長生きすればするほど、あるいは「がん」以外でなくなる割合が減れば減るほど「がん」で亡くなる割合が増えるのは当然と言えます)。

都市部では今後、急速に高齢化が進みます(佐賀はすでに高齢化が進んでいて、かつ人口が少ないので高齢化のスピードは全国でも下から5位…)。

また日本の2008年の在宅で亡くなった割合は約13%、病院が約79%という現状ですが、終末期をどこで迎えたいかという調査(終末期医療に関する調査等検討会報告書)では60%以上が療養の場として自宅を希望し、しかし看取りの場としては80%が医療機関・緩和ケア病棟を希望しています。最後まで自宅での療養は実現困難と考えている国民もまた60%以上になっており、これは医療を提供する側の問題と家族への介護負担が多いことが原因と思います。

国の政策としては、医療費の問題からも今後ますます居住系施設・在宅医療の割合が増えていくのは目に見えています。また高齢者の医療は、より「総合的」な視点が必要になります。

在宅医療を支える医療・介護のシステムの改善と現場のスキルアップ、そしてより一層の介護サービスを充実させないと、国民にとって幸せな自宅での療養は実現できません。

そして、そのためには社会保障費も当然増額しなければならず、財源確保のためには増税も必要となってくると思います。さらに国の膨大な借金。どうなっちゃうんだ、日本。

ますますの高齢社会でいかに暮らしていくかということを医療者はもちろん、国民ひとりひとりが「ひとのせい」や「ひとまかせ」にせず「自分のこととして」考えていかねばなりません!

なーんて、話が大きくなってしまいましたが、まずは身近で困っている患者さんのために現場の医療者で協力・連携していきたいと思います。
そして、そういう考えを持った若者(自分も若輩者ですが)がどんどん育っていってほしいと思います(お前ももっと成長しろとツッコミがここそこから聞こえてきますが、許してつかーさい!)。


ところで講習会の会場は東京・駒込の日本医師会館でした。初めて行ったんですが、館内には各地区医師会からの寄贈品がずらり。かなりでかい「熊本城」とかもありました。

そして、なんと、ホッキョクグマの剥製も!フロム北海道医師会(しかし北海道に白くまいないよね)。
わが杉岡教授は、地域医療のためにホッキョクグマのようなパワーで頑張ります!!ガオー。

ちなみに初代医師会長は北里柴三郎先生だそうで、その銅像の前でもパチリ。

昼休みにキャッキャ言って写真撮ってるのは僕らくらいでしたが(参加者の最年少はおそらく僕です)、せっかくなので社会見学もして参りました。

(総合内科 さかにし)

2010年8月24日

歓迎会&納涼会

昨夜は、地域医療支援学講座で
新しい事務員のNさんの歓迎会兼納涼会を佐賀市内で行いました!

本講座は、総合内科部門と小児救急総合部門が2本柱になっているんですが
なかなか2つの部門が一緒に飲む機会がないので、昨日はとても楽しく、盛り上がりました!
2つの部門の絆がまた深まった気がします。

適度に暑く、適度に風もあり、夜空の下で飲むビールはやっぱり旨かった。

たまにはこうして肩をならべて飲んでー♪な夜でした~
(って、すでに懐メロ?)

しかし、この写真だと佐賀がちょっと都会に見えるなあ
(総合内科 さかにし)

2010年8月17日

地域医療に関する合同研修会

今日は、佐賀県出身の自治医大生1~4年生と佐賀大医学部医学科の地域枠で入学した1~3年生が一緒に参加する「地域医療に関する合同研修会」が卒後臨床研修センターでありました。

佐賀県地域医療体制整備室と佐賀大学との共催です。
もともと自治医大生は夏期実習として佐賀県内の離島などで実習があるんですが、今回は初の試みとして、将来佐賀の地域医療を担う仲間となる両大学生たちの交流も兼ねました。

自治医大生は9名、佐賀大生が8名が参加しました。

第1部では
地域医療の意義や実体験の講演として
佐賀大学 血液・腫瘍内科の木村晋也教授(自治医大卒)、当講座の杉岡教授(自治医大卒)と僕(佐賀医大卒)がお話をしました。

「地域医療の体験は、医師にとって大きなプラスであること」
「地域では医師のみならず、介護・福祉・行政との連携が大切であること」
「地域では行政と連携して予防医療の展開も可能なこと」
「地域では家族と一緒に過ごせる時間が多いこと」

そして、何より「地域医療は楽しい!」ことをお伝えしました。

第2部では
卒後臨床研修センターの江村正先生から、ご自身の地域医療体験と卒後研修についてのお話と
自治医大卒業生で現在、卒後1年目の研修医として佐賀大学病院で研修中の山田先生と吉武先生から「研修医の現実」を話してもらいました(笑)

学生さんたちが実際に地域で活躍するのは、まだまだ先ですが
夢を持ってこれからの日々を過ごしてもらいたいと思います。

君たちには時間がたっぷりあるので、大いに学び、大いに遊んでください!
そして、近い将来、一緒にがんばろうね。


(今日参加した学生さんたちは右上のバナークリックを忘れないように(笑))

2010年8月12日

総合内科「ミニ」レクチャーシリーズを始めます!

地域医療支援学講座の総合内科部門では
学生・研修医を対象に、総合内科「ミニ」レクチャーシリーズを開始します!

忙しい研修医の先生たちを考えて、毎回30分くらいの「ミニ」レクチャーです。
総合内科医に必要な診断学、臨床疫学、臨床研究の手法などを中心にお送りする予定です。

予防医療や地域医療、医療行政のことなんかもしたいなと思っています。
そのほか、皆さんのリクエストにもお応えします!


第1回目は・・

  診断の臨床疫学~診断の達人への道~

 8月30日(月) 18:00~
 佐賀大学病院 卒後臨床研修センター 
                 1F セミナー室

あ、もちろん学外からのご参加も大歓迎です(事前の申し込みは不要です)。

2010年8月9日

竜舌蘭、開花中

度々お伝えしている「50年に一度咲く」と言われている伝説の(笑)竜舌蘭が小城公園で開花中です!

写真は今朝の様子。

下の方の花はすでに枯れているようです。

ところで今日は、65回目の長崎の「原爆の日」ですね。
竜舌蘭が次に咲くころには「核のない世界」「戦争のない世界」であることを信じたいです。
(総合内科 さかにし)

2010年8月5日

長崎在宅Dr.ネット

昨日は、「長崎在宅Dr.ネット」副理事長の白髭豊先生のお話を伺うために杉岡教授と長崎に行ってきました。
長崎大学・へき地病院再生支援・教育機構の高橋優二先生がその場をセッティングしてくださり、高橋先生も同席されました。

長崎在宅Dr.ネットは2003年に長崎市内の診療所の白髭先生を含む「情熱をもった」有志の医師たちによって自主的に立ち上げられた在宅診療のためのネットワークです。
市内の病院に入院している患者さんで在宅療養を希望されても、かかりつけの医師が対応できない場合の受け皿となるものです。

病院からネットワークに受け入れ依頼が入ると、その患者さんの住まいの地区や病状を勘案して「手上げ方式」で主治医と副主治医が決まり、訪問診療や往診が開始されます。
副主治医制をとっているのも画期的です。実際は、副主治医に診療をお願いすることはとても少ないとのことですが、24時間365日対応する医師にとっては副主治医の存在は、用事などでどうしても患者さん宅へ行けないときの「安心」になるとのことでした。このいざというときの安心感が大きいとのことでした。
ネットワークではその他にも「協力医」として皮膚科、眼科、麻酔科、緩和ケア、形成外科、婦人科など専門性が高い診療科の医師が登録していて、連携医からの医療相談を受け、必要に応じて往診を行うというバックアップ体制もあります。
また各診療所では常勤としての雇用が難しい管理栄養士をネットワークでシェアするというのも特徴です(現在は医師会に常勤している栄養士に依頼)。

長崎市内の3つのがん診療拠点病院から在宅診療へ移行した患者さんの数が2003年には数人だったのが昨年には200人を超えるなど、ネットワークを通すことにより在宅へ戻れる患者さんが格段に増え、また年を経るごとに、どんどん顔の見える関係が深まり、ネットワークを通さなくても在宅への流れがスムースになっている件数が増えているとのことでした。

医師同士、病院・診療所同士、医師とコメディカル同士が顔の見える関係を築き、「地域全体で」患者さんを支えるシステムです。

そしてネットワーク化することで各医師に過分な負担がかからないようにしていることで「継続可能な」在宅診療システムとなっていて、全国のモデルケースになっています。

このような連携は「地域力」の大きな要素だと思います。

白髭先生は、初期研修医の地域研修の受け入れもされていて、教育にも熱心に取り組まれています。
また厚労省の「緩和ケア普及のための地域プロジェクト」として、長崎医師会を中心としたチームの長崎地域プロジェクトリーダーも務めておられます。

短い時間でしたが、様々なヒントと力をいただきました。
白髭先生、ありがとうございました!


ところで「竜馬伝」ブームに沸く長崎駅は、福山竜馬一色でした。
やっぱ福山、かっこいい!
白髭先生と最後に写真を撮ろうと思っていたのですが、帰りの電車の都合でバタバタして撮り忘れてましたので、幕末の志士気取り(笑)の杉岡先生と僕の写真をご覧ください。
え?僕らはいいから、福山をアップにしろって?

そこは、まあ、許してつかーさい!

(総合内科 さかにし)

2010年8月2日

りゅ、竜舌蘭が!

そろそろかな、と小城公園(佐賀県小城市)に行くと・・・

竜舌蘭がついに咲き始めたようです!

ケータイ写真なのでわかりにくいと思いますが、下の方のつぼみから黄色の花が開き始めている様子。

「数週間咲く」らしいので、全てのつぼみが花開くのにはまだ余裕がありそうです。

数十年に一度しか花を咲かせないことから、海外ではcentury plant(100年に1度花が咲くという認識から)とも呼ばれているそうです(wikipediaより)。

とにかく、めったにお目にかかれる花ではないようです。

前回のブログでは、小城公園の「さくら乃茶屋」を紹介しましたが
小城公園の岡山神社近くの、移動販売車で売っているホットドックもおいしかですよ~

ホットドッグ片手に竜舌蘭をチェックしてから、さくら乃茶屋でシフォンケーキセット。というコースはいかでしょうか。
(総合内科 さかにし)

2010年7月30日

日米間のワクチン政策対話

昨日は東京で開催された「日米間のワクチン政策対話」セミナーに参加しました。
米国大使館の主催で、米国のワクチン政策に関わる方々と日本側からの講演がありました。

米国からはそうそうたるメンバーで

米国保健社会福祉省保健次官兼国家ワクチンプログラムオフィス所長のブルース・ゲリン氏
国立アレルギー感染症研究所(NIAID)微生物感染症部門部長のキャロル・ヘイマン氏
米国食品医薬品(FDA)生物製剤評価研究センター(CBER)ワクチン研究審査室保健科学顧問兼コミュニケーション特別補佐官のモーリーン・ヘス氏
米国疾病対策予防センター(CDC)国立予防接種・呼吸器疾患センター(NVPO)副所長のメリンダ・ウォートン氏

の各氏の講演があり、米国の気合いの入れようを感じました。
講演は、時間の都合で駆け足で、米国ワクチン政策における各機関の役割など「外枠」の説明が多く、それらの仕組みは資料に当たればわかることなので、もう少し具体的な話も聞けたらと思いました。

ただ、日本のワクチンに関わる機関とは、その規模も数もはるかに多く、日本が同じレベルでワクチン政策を行うには、もっともっと予算も人材も必要だと感じました。サーベイランスなどの臨床的なデータの集積とそれらの情報発信、国民への教育なども大事です。

神戸大・岩田先生からの質問で「米国は健康保険などは国民皆保健ではないのに、なぜワクチンは国策としてお金をかけているのか」との問いに対して、「以前、米国で麻疹が流行したことをきっかけにワクチン政策を国策として扱うようになった」とのことでした(英語のやりとりだったので、正確ではないかもです・・・)。

後半は日本側から
厚生労働省新型インフルエンザ対策推進本部事務局次長の鈴木康裕氏
たまひよコミュニケーションディレクターの蒲生真実氏
国立病院機構三重病院名誉院長の神谷齊氏

の講演がありました。

鈴木氏のお話では、まず日本のワクチン政策を世界標準に追いつかせ、その後、アップデートできるよう日本版ACIPのような機関が必要とのこと。

蒲生さんのお話では育児雑誌「ひよこクラブ」のアンケートでは、お母さんたちのワクチンなどの情報源は育児雑誌とインターネットで7割を占めるとのことで、今後の情報発信の方法を考えさせられました。また副反応について、正確な情報が必要とのコメントでした。

神谷先生は日本のワクチン政策と現状と今後について、するどいコメントをされていました。
国防・国策としてのワクチン政策を、という言葉が印象的でした。

昨年末より、国レベルでのワクチンに対する議論が深まってきています。
クリアする課題は多いのですが、国民のため、とくに子どもたちのため、なんとか良い体制を作っていかなればなりません。

僕個人ができることは、ローカルな活動しかできませんが、少しずつでもワクチンや予防医療について住民の方々にも情報発信をしていければ、と思っています。
(ちなみに、セミナーを聞くうちにウズウズしてしまい、パネルセッションでは「幌加内町におけるヒブワクチン公費全額助成と住民への広報、その接種率の高さ(7か月未満児の78%)を質問時に、質問もせずにアピールしてしまいました・・・)

細菌性髄膜炎から子どもたちを守る会事務局の高畑さんも会場にいらしていて、久々にお話しできて嬉しかったです。各所で頑張っておられる方々との「繋がり」を感じながら僕も頑張りたいと思います!
(総合内科部門 さかにし)

2010年7月22日

第6回 九州・沖縄小児救急医学研究会 開始時間変更と一般演題のご紹介

1ヶ月後に佐賀市で行われる第6回九州・沖縄小児救急医学研究会の詳細をお知らせします。

前回、お知らせした時と開始時間が変更になっていますので、ご注意ください。


日時 : 平成22年8月21日(土) 12:20~

場所 : ホテルニューオータニ佐賀(佐賀市)


【学術情報】 12:20~12:30

ロイコトリエン受容体拮抗剤 キプレスについて(仮)
(杏林製薬 学術企画推進部)

【一般演題】 12:30~17:00

九州・沖縄各施設から小児救急臨床に関する演題(21演題)

①6歳未満で発症した急性虫垂炎の特徴と予後
 (北九州市立八幡病院 石原唯史先生)
②病態別にみた小児急性虫垂炎に対する治療方針
 (九州大学大学院小児外科学 柳祐典先生)
③当院における腸重積症例の検討
 (佐賀県立病院好生館 松本圭一郎先生)
④非特異的腸管炎症が続く重症CO中毒症の幼児の一例
 (九州厚生年金病院小児科 白水優光先生)
⑤当院で経験した血液培養陽性例の検討
 (佐賀県立病院好生館 古賀大介先生)
⑥化膿性股関節炎の1例
 (出水総合医療センター 石川珠代先生)
⑦数時間で敗血症性ショックとなった遅発型B群溶連菌感染症の一例
 (国立病院機構福岡東医療センター 田中裕子先生)
⑧気管内挿管を要した声門上喉頭炎(喉頭蓋炎)の一例
 (沖縄県立中部病院 又吉慶先生)
⑨RSウイルス感染症入院児の急性期症状と喘鳴/喘息との関係
 (熊本地域医療センター 樫木仁先生)
➉「地域基幹病院における2009年新型インフルエンザパンデミックの検証」-第2波への傾向と対策-
 (飯塚病院 林豪毅先生)
⑪過去10年間の小児ICU搬入症例のPELODスコアとその転帰
 (北九州市立八幡病院 藤野光洋先生)
⑫小児口腔・咽頭外傷症例の検討と診療指針の作成
 (北九州市立八幡病院 寺師英子先生)
⑬ネグレクトにより重篤な低体温症となった一例
 (国立病院機構福岡東医療センター 吉野憲司先生)
⑭急性硬膜下血腫に合併した網膜出血よりshaken baby syndromeが疑われた2例
 (宮崎大学 今村秀明先生)
⑮急性硬膜下血腫
 (佐賀大学小児科 一ノ瀬文男先生)
⑯外傷性くも膜下出血に伴ったたこつぼ様心筋障害を疑った小児の一例
 (沖縄県立中部病院 盛田大介先生)
⑰気管切開口からの出血を来した4才男児の一例
 (沖縄県立南部医療センターこども医療センター 浅井大介先生)
⑱小児誤嚥防止手術後に腕頭動脈気管瘻をきたし救命しえた5例
 (佐賀大学小児科 前田寿幸先生)
⑲溺水で当院へ同時に搬送された兄弟例の検証
 (唐津赤十字病院 飯盛智子先生)
⑳北海道幌加内町における全国初の6種任意ワクチン公費全額助成の実現とその経緯
 (佐賀大学地域医療支援学講座総合内科部門 坂西雄太先生)
21佐賀大学病院における小児急性期診療への新たな取り組み
 (佐賀大学地域医療支援学講座小児救急総合部門 辻功介先生)

【特別講演】 17:00~18:00 

座長 佐賀大学医学部 小児科 教授 濱崎 雄平 先生

『救急室で遭遇する、小児循環器疾患の診断と初療』

九州厚生年金病院 小児科  医長 渡邊 まみ江 先生  


* 研究会終了後に情報交換の場を用意しております
(なお、参加費として1,000円徴収させて頂きます)

共催 : 九州・沖縄小児救急医学研究会、杏林製薬株式会社


小児救急に興味のある、九州・沖縄在住及び近隣県の医師及び看護師、救急救命士などの救急隊、行政関係者、研修医・医学生の皆さんのご参加をお待ちしております!!

2010年7月14日

SPセッション!

先日、院内の総合診療部外来実習中の5年生のSPセッションを見学させてもらいました。

SPとは、岡田くん演じる「要人警護のための私服警官」。
・・・ではもちろんなく、
「模擬患者=Simulated Patient」のことです。

医学教育では、このSPさんたちが医学生や研修医が問診や診察の研修のときに「患者役」を演じてくださいます。
SPになるのにももちろん訓練が必要で、みなさん勉強会などに参加され、日々研鑽されています。

佐賀大学医学部のSPさんたち(一般の方々)の歴史は長く、すばらしい役者さんが揃っています。
僕も学生のとき(12年前?)に、医療面接(問診)の実習でお世話になりました。

で、今回のSPセッションは「医学生が患者さんに禁煙外来を勧める」というものでした。
患者設定には二通りあり、それぞれ2名ずつの学生がセッションを受けました。

患者役のSPさんとは別に、別室で十数名のSPさんがセッションの様子をモニターで見られ、その方たちからのフィードバックもあります。
またセッションの様子はDVDに録画され、後日、学生は自分の医療面接の様子を客観的に見ることもでき、自分で気づいていなかった話す際のくせ、声の大きさなどもわかります。

当たり前ながら、ひと(患者さん)も学生や医師もひとりひとり個性があるので、医療面接もひとつの決まった「正解」はありません。

相手の反応、理解度を見ながら、話し方なども変えなければなりません。
大げさにいえば、一期一会となることもあり、そこが医療面接の難しさであり、面白さでもあると思います。

5年生たちは、僕らが学生であったときよりもずっとお話が上手で誠実に説明する様子に好感がもてました。それ以上にSPさんの演技が上手い!
SPさんたちによっても医学教育は支えられているのであります。

研修医教育にも、このSPセッションを取り入れることがもっとできれば、と思いました。
(総合内科 さかにし)

2010年7月11日

平成22年度 地域医療連携に関する講演会

平成22年度 地域医療連携に関する講演会が来週7月20日(火)に
佐賀大学医学部で開催されます。

九州大学病院との高速インターネット会議システムによる合同開催です。
対象は医療関係者の方のみなのですが、地域医療連携に関わる方、興味のある方のご参加をお待ちしております。

詳細は以下のとおりです。


日時 : 平成22年7月20日(火曜日) 18:00 ~ 20:00
場所 : 佐賀大学医学部 臨床大講堂

および九州大学病院 臨床大講堂※ 
(※高速インターネット会議システムにより、福岡と佐賀の2会場を中継で結び講演します。福岡の講師・参加者に、佐賀の会場から質問できます。)

テーマ : 「大学病院と在宅療養の連携」

共催 : 佐賀大学医学部附属病院 地域医療連携室、
     九州大学病院 地域医療連携センター

対象 : 医療従事者または医療関係者に限ります。
      (一般の方の参加は受け付けていません)

<プログラム>

<総合司会> 
佐賀大学医学部附属病院 地域医療連携室 副室長 佐藤 英俊 准教授
九州大学病院 地域医療連携センター 副センター長  中島 直樹 准教授

18:00 - 開会挨拶
佐賀大学医学部附属病院 地域医療連携室長  藤本 一眞 教授

18:05 -
「退院支援、在宅療養におけるMSWの役割」

佐賀大学医学部附属病院 地域医療連携室 中迫正臣 医療ソーシャルワーカー

18:20 -
「大学病院との連携を考える~訪問看護ステーションの立場から~」

佐賀県看護協会 訪問看護ステーション所長  上野幸子 氏

18:50 -
「在宅療養を支える力(パワー) ~難病の一症例を通して~」

なごみ訪問看護ステーション 介護支援専門員   樋口 美代子 氏  

19:20 -
「退院調整カンファレンスを活用した高齢者の在宅療養コーディネート」

九州大学病院 地域医療連携センター副センター長  岩谷友子 看護師長

19:35 - 質疑応答
19:55 - 閉会挨拶

九州大学病院 地域医療連携センター長 吉良 潤一 教授


<お問合せ> 
佐賀大学医学部附属病院 地域医療連携室(TEL0952-34-3149)

2010年7月8日

地域医療と臨床研究

7月6日、佐賀大学医学部小児科カンファランスで「地域医療と臨床研究」というタイトルでお話しました。

臨床研究とは薬の治験のことと思われる方も多いと思いますが、実は臨床研究の定義はもっと幅広いもので、その目的は日常臨床の仕事をより良いものにすることにあります。

私自身も地域の現場で長く仕事をしていく中で臨床研究の重要性を強く感じました。

現在行っている仕事を客観的に評価する、現場の実情に応じたエビデンスを創る、また研究的な視点を持つことは臨床そのものの質向上にもつながるものと考えています。


モチベーションの高い臨床現場の医師にこそ、ぜひ臨床研究の重要性を伝えたいと思っています。
(総合内科 杉岡)

2010年7月7日

50年に一度、咲く花があるという

佐賀市のお隣にある、羊羹で有名な小城(おぎ)市は・・・

鍋島2代藩主・直能が小城公園に居を構えてから7万3千石を誇る古都として栄えました。
風情ある町並みを残す小京都として、また花と水とホタルの里として親しまれています(小城市観光協会HPより)

6月は蛍がとてもきれいでした!

で、いま密かに小城町民の関心を集めているのが「50年に一度、咲くという竜舌蘭(リュウゼツラン)」が今年ついに咲きそうだ!という話題です。

で、どこにその竜舌蘭があるかというと小城公園の池の離れ小島です。
以前はボートに乗れたのですが、いまはないので岸辺から眺めるだけなのですが遠目からもニョキニョキと茎(?)が伸びているのがわかります。

週末にチビたちを連れて小城公園に行ったところ(池には鯉が沢山いて、エサやりもできるので子どもたちのテンションもあがります!)、ご老人が双眼鏡で竜舌蘭を観察されておりました。

蕾がふくらんで来ているようです。

で、竜舌蘭てどんなんなん?と思ったあなたは小城市観光協会ブログをチェックしてください!


ところで、竜舌蘭から徒歩30秒の小城公園の入口にある「さくら乃茶屋」でよくランチを食べます。

先週末は「太刀魚の唐揚げ定食」を食べました。おかずも沢山あって680円!安い!
しかも、ここ手作りシフォンケーキが絶品です!
定食とケーキ、コーヒーセットで1000円です。お得!

小城公園は春は桜、その後につつじ、紫陽花、夏は木々の緑があふれ、実にすてきな公園です。
いやー、佐賀ってすばらしいなー

竜舌蘭&さくら乃茶屋、あなたもチェックしに来ませんか?
(総合内科 さかにし)


人気ブログランキングへにほんブログ村 病気ブログ 医者・医師へ

↑竜舌蘭が見たいあなたはクリック。