11月6日に佐賀市で開催された日本医療マネジメント学会第9回九州・山口連合大会で一般演題発表をしてきました。
発表内容は、「医療機関と行政の連携により地域医療を支える~幌加内(ほろかない)町の6種任意ワクチン公費全額助成の取り組み~」についてです。北海道にある幌加内町には、平成9年から佐賀大学附属病院・総合診療部から医師が派遣されていて、僕も今年の3月まで3年ほど幌加内で勤務していました。
幌加内町は医療者と行政の連携により、平成20年度~インフルエンザワクチン(中学生以下)、平成21年度~ヒブ、水痘(みずぼうそう)、ムンプス(おたふくかぜ)ワクチン、平成22年度~小児用肺炎球菌ワクチン、HPVワクチンの公費全額助成制度が始まっています。
予防医療の推進は地域医療を支える大きな手段の一つです。
そして予防医療の一つとしてワクチンはとても大事ですが、
世界的には定期接種化されている多くのワクチンが日本では任意接種のため全額自己負担となり(そして有害事象に対する救済額なども定期接種より低い)
またワクチンに対する一般の方への正しい情報が圧倒的に少ないため、
家庭の経済格差、情報格差が健康格差につながってしまう現状があります。
今回は、幌加内町の取り組みを通して
『医療者は、行政と共に地域医療を守るパートナーとして、行政に対して積極的に提言を行い予防医療政策・医療政策の立案に関与するべきである』
というメッセージを伝えたいと思いました。
現在、ようやく国会では今年度の補正予算で3種(ヒブ、小児用肺炎球菌、HPVワクチン)任意ワクチンの公費助成が審議されています。
幌加内のように医療機関と行政の連携がとれている自治体では、より迅速に適切な予防医療政策をとることができるのであります!
幌加内に限らず、日本全国において医療資源もお金も限られており、職種の壁を越えてみんなで(もちろん住民も含め)知恵と力を合わせていくしかないと思っています。
(総合内科 坂西雄太)
0 件のコメント:
コメントを投稿