2012年1月20日

「九州地区 予防接種普及のしくみを考える」セミナーに参加しました


1月15日に宗像で開催された「九州地区 予防接種普及のしくみを考える」セミナーに参加しました。
九州各県から予防接種に積極的に関わっておられる小児科医の先生方が参加されていました。

その中で「公費助成実現へのプロセス」というテーマで、僕が幌加内にいたときに保健福祉総合センター・センター長として関わった「6種任意接種ワクチン公費全額助成の取り組みと接種率の変化」について講演させていただきました。

北海道幌加内町には、縁あって佐賀大学・総合診療部より平成9年から23年度まで医師が派遣されていて、僕も10人目の医師として3年弱勤務していました。

先輩方の努力によって幌加内町の行政と町の医師との信頼関係が良好だったこと、町長・行政・議会の予防医療、子育て支援に理解が深かったことにより、全国初となる6種(インフルエンザ、ヒブ、水痘、おたふくかぜ、小児用肺炎球菌、HPVワクチン)の公費全額助成が実現しました。
(その後のHPVワクチンへの国からの助成を考えると、HPVではなくHBVワクチン:B型肝炎ワクチンの助成をすべきだったとちょっと悔やまれます・・・)

そして医師と保健師が連携して、住民にワクチンについて情報提供、啓発を行いました。そのなかでも保健師さんによって「母子手帳交付時」と「新生児訪問時」に保護者の方にワクチン(定期も任意ワクチンも!)についての情報提供をしてもらったことがとても大きかったと思います。

助成開始前後でのそれぞれのワクチン接種率は、インフルエンザが57.4%から60.1%、ヒブが2.9%から52.2%、水痘が0%から30.0%、ムンプス(おたふくかぜ)が2.8%から38.2%、小児用肺炎球菌が1.3%から50.6%HPV0%から81.3%に向上しました。
2010年度では、インフルエンザが79.9%、ヒブが77.8%、水痘が34.8%、ムンプス(おたふくかぜ)が36.4%、小児用肺炎球菌が50.6%HPV81.3%でした。)


幌加内町は人口も少なく(乳幼児は60名ほど)、少ない予算で公費助成ができるのは確かですが、その分、町の予算も少ないので、行政の方には公費助成の予算は絶対値ではなく、全体に対する割合で考えてほしいと思います。幌加内の場合は公費助成の予算(インフルエンザワクチン以外の5種)は全体の0.1%ほどです。

なお、幌加内町では昨年12月からロタウイルスワクチンについても公費全額助成が開始されています。

セミナーでは九州各県のワクチンへの取り組みも紹介されました。正直、各県でかなりばらつきがありますが、やはり今後は小児科と産婦人科、行政(保健師)の連携が必要なことは共通の認識でした。

セミナーに参加されていた宮崎の高山先生のブログにもセミナーのレポートがありましたので、こちらもご紹介します。


ワクチンに限らないことですが、いろんな分野で「連携」が大事ですね!
いろんな垣根をヒラリと超えていきましょー
(坂西雄太)

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