2012年8月28日

今週末、博多でプライマリ・ケア連合学会の学術大会が開催されます


今週末(912日)に日本プライマリ・ケア連合学会の学術大会が博多で開催されます!

「プライマリ・ケアってなに?」
「家庭医療、総合診療ってどうなの?」
「入試の面接で地域医療に興味があるって答えたけど、ほんとはよくわからん」
「学会ってなにしてんの?」
「ポスター発表ってなに?」
「全国の後期研修プログラムが知りたい」
「今週末、博多駅で買い物しようかな」
「ティアニー先生って誰?」



なーんて、思っているそこのキミ!ぜひ参加してみてください!

全国のプライマリ・ケア、家庭医療、総合内科、総合診療医の皆さんの口演、ポスター発表、教育講演がたっぷりあります。

全国の研修病院の後期研修プログラムブースもあり(当講座の総合内科育成プログラムも出展します)、直接担当者から話を聞くこともできますよ。



診断の神様、伝説のティアニー先生の講演(ケースカンファランス)もあります。
ワクチン教育講演はじめ多分野の講演もあります。
在宅医療やリハビリなどについても学ぶことができ、低学年の学生さんでも勉強になり、楽しめると思います。



もちもん佐賀大学病院・総合診療部や当講座からも演題を出しています。

九州開催ということで、佐賀大学病院・卒後臨床研修センターの江村先生や当講座の杉岡教授や僕も大会実行委員をさせてもらっています。

僕自身は初めて学術大会に参加したのは研修医になってからでしたが、学生時代に参加していれば、医学や医療への見方がまた変わってたかもなあと思います。
ちなみに来年の学術大会は仙台で開催されます。


学生の参加費は2日間通しで2千円です!これはお得!



今週末は博多へGo !!




学会プログラムはこちらを。

(総合内科部門 坂西)

2012年8月24日

自治医大・佐賀大学医学部合同夏期実習2012 その2


 合同夏期実習2日目は全員で伊万里有田共立病院に向いました。
伊万里有田共立病院は公立病院で有田共立病院と伊万里市民病院が合併し、今年の3月に新病院として開院しています。

同病院は19の診療科から成る206床の病院で、自治医大OBと佐賀大学OBの医師が半々くらい勤務されているとのことでした。
自治医大OBで現在同病院に勤務されている小児科の古賀先生と外科の園田先生から離島勤務経験やその後のキャリア形成についてお話していただきました。
古賀先生から「自分が好きだと思う科に進んで頑張ってください」、園田先生からは「医師としての基本である臨床をまずしっかり固め、教育や研究もしてほしい」というメッセージをいただきました。園田先生は「がんとニオイーがん探知犬を用いた検討」という研究で昨年に論文発表もされています。
その後に院内を案内していただきました。

最後に佐賀大学医学部に戻り、地域医療支援センターでまとめを行いました。
昨年は各班でフォトボイスを行いましたが、本年度は3つの班でグループディスカッションを行いました。ディスカッションは3つのテーマについて行い、テーマごとに班のメンバーをシャッフルするワールドカフェ風で行いました。

1つ目のテーマは「今回の合同実習で楽しかったこと、良かったこと」でした。
一番多かった意見としては「自治医大生と佐賀大学生が仲良くなれた!」というものでした。今回の合同実習の最大の目的である『将来の佐賀の地域医療を担う若者たちが学生時代から仲良くなってもらって「仲間」づくりをしてもらうこと』は果たせたんじゃないかと思います。
ほかには離島や山間部医療の現場に触れて患者さんと交流できたこと、先輩医師や行政の方とお話できたこと、食べ物が美味しかった!という意見がありました。

2つ目のテーマは「今回の実習で地域医療について疑問におもったこと、わからなかったことやもっと学びたかったこと」にしました。
印象的だったのは、医師の話す医学用語が患者さんにはわかりにくいではないかということと、医師によってそれぞれ言うことが違う(地域には〜〜科が足りない。など)という意見でした。
僕ら医師は気をつけていてもついつい一般の方の感覚から少し離れてしまい患者さんへの説明時に無意識に医学用語を使っているのかもしれません。また、それぞれの現場でのニーズの違いや、全般的に医師不足もあり、それぞれの視点の違いから学生さんにお話をするので、学生さんは少し混乱してしまったかもしれません。まとめの場に参加していただいた佐賀大学病院卒後臨床研修センターの江村先生からは「それぞれの医師が言うことはそれぞれ正しいので、学生のうちにいろんな現場のいろんな医師の話を聞いてトータルに考えてみてください」とのアドバイスがありました。また離島に泊ってみたい、もっと普段の住民の方と交流したいという意見もありました。

3つのテーマは「佐賀の地域医療のために自分たちにできることはなにか、将来どんな医療をおこないたいか」というテーマでした。
今できることとしては、まずはしっかり勉強する、まだ地域医療の現場を経験していない周りの学生にも伝えるという意見がありました。面白い意見としては佐賀県知事になって佐賀の地域医療政策を支えたい!というものもありました。出馬したら応援します(笑)大胆な意見でしたが、学生さんたちが(地域)医療と行政の関わりの重要性について気付いてくれたからこそと思います。

自治医大と佐賀大学の学生が一緒になって、いろんな意見や夢を語ってくれました。

今回の合同夏期実習の最大の目的であった、「佐賀の地域医療の現場に触れてもらうこと」と「将来の佐賀の地域医療を担う若者たちが学生時代から仲良くなってもらって仲間づくりをしてもらうこと」は達成できたのではないかと思います。

実習先の医師・看護師・事務のみなさん、住民のみなさん、懇親会に参加いただいた自治医大OBや各病院院長、唐津市役所のみなさん、実習に対してご援助いただいた地域医療振興協会佐賀支部長の笠原先生、そして実習の計画から実施まで一緒にご協力いただいた佐賀県健康福祉本部医務課地域医療体制整備室の瀬戸さんと奧薗さん、佐賀大学学生サービス課の田口さんに心より感謝申し上げます。

これからもオール佐賀で学生さんを支え、ともに佐賀の地域医療のために頑張って参りましょう!
(総合内科部門 坂西雄太)


2012年8月20日

自治医大・佐賀大学医学部合同夏期実習2012その1


81617日に自治医大・佐賀大学医学部合同夏期実習を行いました!

この実習は、佐賀県健康福祉本部医務課と佐賀大学医学部の共催で、佐賀県枠の自治医大と佐賀地域枠の佐賀大医学科生1−4年生が一緒に参加する合同夏期実習です。もともと佐賀県が自治医大生を対象に行っていた夏期実習に、昨年からは佐賀大学医学部生も参加させてもらうかたちで合同で行い、今年で2回目になりました。

佐賀大学側として本講座総合内科部門と学生サービス課が担当させていただいています。

今年度は、初日は離島班(加唐島、馬渡島、小川島)と山間部班に分かれて夕方に唐津で合流し、2日目は全員で伊万里有田共立病院を見学させていただき、最後に佐賀大学医学部の地域医療支援センターでまとめを行いました。

学生さんは、自治医大から9名、佐賀大学医学部から8名参加しました。
昨年は合同実習の初年度ということもあり初めはみんな緊張した様子でしたが、今年は昨年一緒だった学生さんもいて初日から和気藹々とした雰囲気でした。

離島の診療所には、自治医大卒業の医師がそれぞれ常勤で勤務されています。唐津市立加唐島診療所の神下先生、馬渡島診療所の小楠先生、小川島診療所の福田先生にお世話になりました。

当日は快晴のなか唐津市の呼子から船で20分ほどの各島に渡り、午後の診療までは釣りをして楽しみました。(僕が引率した加唐島チームの釣果は0でしたが、楽しかったです)

午後からは各診療所で先生や患者さんのお話を伺ったり血圧測定などをさせていただきました。お盆明けと言う事もあり、加唐島診療所には午後受診される患者さんはおられませんでしたが、2時間たっぷり神下先生とお話させていただき学生さんには貴重な経験でした。

山間部班は佐賀市立富士大和温泉病院(地域総合診療センター)の木須院長と徳冨先生、神埼市立脊振診療所の徳田先生(自治医大OB)、佐賀市立三瀬診療所の西先生(佐賀大学病院総合診療部より派遣)、唐津市七山の阿部医院の阿部先生(同・総合診療部OB)にお世話になりました。

昨年の山間部班は佐賀大学の学生のみでしたが、今年は自治医大の学生さんにも参加してもらいました。山間部実習でも患者さんとお話をさせていただいする機会を設けていただき、学生さんたちもとても勉強になりました。僕が大学で行う講義では質問を尋ねても「しーん。」としてしまうことが多いのですが(苦笑)、今回の実習では学生さんからひっきりなしに診療所の先生に質問がなれされ、参加している学生さんたちの意識の高さに感動しました。

とくに低学年の学生さんたちは、いままで臨床の現場に出る機会がほとんどなく、また佐賀大学の学生は高学年であっても離島や山間部診療所で実習する機会はほとんどないためとても良い刺激をいただきました。

各診療所の先生方と看護師さん、実習にご協力してくださった地域の患者さまと住民のみなさまには心より感謝いたします。

各班は夕方に唐津で合流し、夜は懇親会を行いました。
懇親会には佐賀県内で診療されている自治医大OBの先生方や伊万里有田共立病院の井上院長、唐津市民病院みたはたの大野院長など多くの医師や、行政からは佐賀県医療統括監の古川先生はじめ佐賀県健康福祉本部医務課地域医療体制整備室のみなさんや唐津市保健福祉部保健医務課のみなさん、昨年一緒に県職員としてこの合同実習を行い、現在は厚生労働省福岡検疫所の山本先生も参加されました。

若い学生さんたちも初めは緊張した様子もありましたが、医師や行政の先輩方とお話する機会はほとんどないため、色々勉強になったと思います。

〜その2に続く〜
(総合内科部門 坂西雄太)

2012年8月13日

「プライマリ・ケアを語ろう・おおさか」勉強会


85日に「プライマリ・ケアを語ろう・おおさか」の勉強会でワクチンに関するお話をさせていただきました。

「プライマリ・ケアを語ろう・おおさか」は日本プライマリ・ケア連合学会(発足当時は日本プライマリ・ケア学会)大阪地区の勉強会として発足し、年2回の参加型・体験型の勉強会で、今回で25回目になるとのことでした。

この勉強会では、患者さんへの生活習慣病予防の食事指導の勉強のため、講演の前に640kcal健康ランチの試食&アイスブレーク。懇談をするという楽しい企画があります。この健康ランチは、同会の管理栄養士の熊代先生が監修されています。

今回は夏ということでタイ料理でした!
ナシゴレン、ソムタム、トムヤンクン、ゴイクン、デザートにココナツミルクゼリーまでついて総カロリーが616kcal、食塩3.1gということでした。食塩が3gとは思えない、スパイしでしっかり味付けされていておいしかったです〜

お食事のあとに『これからの予防接種とプライマリ・ケアの役割』というテーマでお話させていただきました。

ワクチンの目的やVPD(Vaccine Preventable Diseases:ワクチンで予防できる疾患)、定期・任意接種制度の違いについてお話しました。

各ワクチンについては、時間の都合、任意ワクチンを中心におさらいし、乳幼児の細菌性髄膜炎予防のためのHib・小児用肺炎球菌、水痘(みずぼうそう)やムンプス(おたふくかぜ)ワクチン、B型肝炎ワクチンについて、成人のワクチンとしては現在、関西を中心に風疹が流行していることもあり、風疹ワクチン(MRワクチン)、23価肺炎球菌ワクチン、B型肝炎ワクチン(B型肝炎キャリアからの水平感染予防として)などについてお話をさせていただきました。

その後に「それぞれのワクチン診療における障壁」について、グループディスカッションをしていただきました。

皆さんが普段感じる障壁として、
・「任意接種」という呼び方がそれほど必要ないワクチンとの誤解を生み、公的な機関からの任意接種ワクチンに関する情報発信も少ない
  ワクチンについて誤解生む報道をするマスコミ
  感情でモノゴトを判断し、理屈を議論できないマスコミ・国民性
  ワクチンなど予防医療の教育が学校教育でなされていない
  ワクチンの供給不足

などのご意見がありました。

後半は、日本のワクチンギャップの現状・原因について概説し、ひとつの地方自治体の取り組みとして(毎度ですが)北海道幌加内町の6種任意接種ワクチンの公費全額助成の取り組みの紹介、同時接種やワクチン行政の最近の動向についてご紹介しました。

その後再びグループディスカッションとして「ワクチンの地域連携についてしていること・やれそうなこと」について話合っていただき

  医師会単位や薬局などで、ワクチン診療を積極的に行っている医療機関についての情報発信
  日常診療において母子手帳でのワクチン接種歴の確認をもっと行う
  医療者間のワクチンに対する考えのギャップを埋めていく、成人に必要なワクチンについても情報提供する
  ワクチンについて、医療者の地域での勉強する機会を増やす

などのご意見をいただきました。

皆様からのワクチン診療に関する具体的なご質問には十分にお答えできなかったところもあり、私自身もっとワクチンについて勉強したいと思いました。


・・・ワクチンについてもっと勉強したい!おさらいしたい!という、そんなあなたに朗報です。

日本プライマリ・ケア連合学会の第3回学術大会が来る9月1日・2日に博多で開催されますが、私も大会実行委員をさせていただいていてワクチン教育講演を企画しています。

3回 日本プライマリ・ケア連合学会学術大会(博多)
2012年9月2日(日曜)13301455
ワクチン教育講演
『ワクチンについて、これだけは知っておきたい〜保護者や医療者からよくある質問を中心にあなたの疑問に答えます〜』
講師:川崎医科大学・小児科 中野貴司先生


今回の大阪の勉強会では、参加者の皆さんにご協力いただき、日常のワクチン診療で受ける質問・疑問についてアンケートで記入していただきました。その内容についても、ワクチン教育講演での参考にさせていただきたいと思います。

みなさま、ぜひ博多での学術大会にご参加ください。
ワクチン教育講演以外にも様々なシンポジウム、教育講演、ワークショップが企画されています。

「プライマリ・ケアを語ろう・おおさか」の皆様にはお招きいただき、またアンケートにご協力いただき誠にありがとうございました。これからもよろしくお願いいたします。
(総合内科部門 坂西雄太)