2012年8月24日

自治医大・佐賀大学医学部合同夏期実習2012 その2


 合同夏期実習2日目は全員で伊万里有田共立病院に向いました。
伊万里有田共立病院は公立病院で有田共立病院と伊万里市民病院が合併し、今年の3月に新病院として開院しています。

同病院は19の診療科から成る206床の病院で、自治医大OBと佐賀大学OBの医師が半々くらい勤務されているとのことでした。
自治医大OBで現在同病院に勤務されている小児科の古賀先生と外科の園田先生から離島勤務経験やその後のキャリア形成についてお話していただきました。
古賀先生から「自分が好きだと思う科に進んで頑張ってください」、園田先生からは「医師としての基本である臨床をまずしっかり固め、教育や研究もしてほしい」というメッセージをいただきました。園田先生は「がんとニオイーがん探知犬を用いた検討」という研究で昨年に論文発表もされています。
その後に院内を案内していただきました。

最後に佐賀大学医学部に戻り、地域医療支援センターでまとめを行いました。
昨年は各班でフォトボイスを行いましたが、本年度は3つの班でグループディスカッションを行いました。ディスカッションは3つのテーマについて行い、テーマごとに班のメンバーをシャッフルするワールドカフェ風で行いました。

1つ目のテーマは「今回の合同実習で楽しかったこと、良かったこと」でした。
一番多かった意見としては「自治医大生と佐賀大学生が仲良くなれた!」というものでした。今回の合同実習の最大の目的である『将来の佐賀の地域医療を担う若者たちが学生時代から仲良くなってもらって「仲間」づくりをしてもらうこと』は果たせたんじゃないかと思います。
ほかには離島や山間部医療の現場に触れて患者さんと交流できたこと、先輩医師や行政の方とお話できたこと、食べ物が美味しかった!という意見がありました。

2つ目のテーマは「今回の実習で地域医療について疑問におもったこと、わからなかったことやもっと学びたかったこと」にしました。
印象的だったのは、医師の話す医学用語が患者さんにはわかりにくいではないかということと、医師によってそれぞれ言うことが違う(地域には〜〜科が足りない。など)という意見でした。
僕ら医師は気をつけていてもついつい一般の方の感覚から少し離れてしまい患者さんへの説明時に無意識に医学用語を使っているのかもしれません。また、それぞれの現場でのニーズの違いや、全般的に医師不足もあり、それぞれの視点の違いから学生さんにお話をするので、学生さんは少し混乱してしまったかもしれません。まとめの場に参加していただいた佐賀大学病院卒後臨床研修センターの江村先生からは「それぞれの医師が言うことはそれぞれ正しいので、学生のうちにいろんな現場のいろんな医師の話を聞いてトータルに考えてみてください」とのアドバイスがありました。また離島に泊ってみたい、もっと普段の住民の方と交流したいという意見もありました。

3つのテーマは「佐賀の地域医療のために自分たちにできることはなにか、将来どんな医療をおこないたいか」というテーマでした。
今できることとしては、まずはしっかり勉強する、まだ地域医療の現場を経験していない周りの学生にも伝えるという意見がありました。面白い意見としては佐賀県知事になって佐賀の地域医療政策を支えたい!というものもありました。出馬したら応援します(笑)大胆な意見でしたが、学生さんたちが(地域)医療と行政の関わりの重要性について気付いてくれたからこそと思います。

自治医大と佐賀大学の学生が一緒になって、いろんな意見や夢を語ってくれました。

今回の合同夏期実習の最大の目的であった、「佐賀の地域医療の現場に触れてもらうこと」と「将来の佐賀の地域医療を担う若者たちが学生時代から仲良くなってもらって仲間づくりをしてもらうこと」は達成できたのではないかと思います。

実習先の医師・看護師・事務のみなさん、住民のみなさん、懇親会に参加いただいた自治医大OBや各病院院長、唐津市役所のみなさん、実習に対してご援助いただいた地域医療振興協会佐賀支部長の笠原先生、そして実習の計画から実施まで一緒にご協力いただいた佐賀県健康福祉本部医務課地域医療体制整備室の瀬戸さんと奧薗さん、佐賀大学学生サービス課の田口さんに心より感謝申し上げます。

これからもオール佐賀で学生さんを支え、ともに佐賀の地域医療のために頑張って参りましょう!
(総合内科部門 坂西雄太)


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