2012年3月12日

結婚式に出席しました。

総合内科の先生の結婚式に皆で出席させていただきました。



涙したり、ずっと笑っていたり、顔が真っ赤だったり
おめでたいHAPPYな1日でした。


先生おめでとうございます。
これからも真っ直ぐ!宜しくお願い致します。笑




(地域医療支援学講座  事務)





2012年2月21日

今夜の小児科カンファレンスのお知らせ

佐賀大学病院関係者のみなさま
【今夜の小児科カンファレンスのおしらせ】

突然ですが今日(2月21日)の19時から佐賀大学病院2階病棟・小児科カンファレンスルームで
「ニッポンのワクチンギャップ〜ワクチン行政の問題を中心に〜」というテーマ(毎度ですが)でお話させていただきます。

学生さんやほかの科の先生方の参加もどうぞとのことですので、
お時間とご興味がある方は是非ご参加ください!

出産後はバタバタしてしまい生後2ヶ月からのワクチンデビューはなかなか大変なので、産前・産後すぐから保護者へのワクチンについての情報提供も大切と思っちょります。

なので、その時期(1ヶ月検診時)での小児科の先生方から保護者への情報提供の方法についてもご提案させていただこうと思います。

(総合内科部門 坂西雄太)

2012年2月14日

災害危機管理(FEMA)と感染症対策(CDC)の講演会@聖マリア学院


213日は福岡県久留米市の聖マリア学院で行われた講演会に行きました。

日本学術振興会のリサーチ・フェローシップにより、東日本大震災に関するリサーチで来日されている元米国 FEMA(Federal Emergency Management Agency:  連邦緊急事態管理庁)職員で危機管理専門家の Leo Bosner 先生と、聖マリア学院大学の客員教授で大学院の講義のために来日されている米国CDCCenters for Disease Control and Prevention: 疾病予防管理センター)のTimothy M. Uyeki 副長官のお二人というかなり豪華な講師陣でした。
Bosner先生は『災害危機管理について 地方自治体における災害準備・応急対応について』のお話でした。
災害時の初動対応は「地元」関係者となるため、地域自治体が災害計画をつくる際には行政や消防、医療機関などと検討、シミュレーション、再修正が必要とのことでした。
ハリケーンカトリーナのとき、最も問題になったのは、事前の「非現実的な計画」と「関係組織同士の調整の欠如」だったそうです。
災害計画は、「組織」ではなく「役割」で考えるというお話も印象的でした。
組織で考えると縦割り的な考え方になってしまい、「役割」で考えると横の連携も広がる、ということだと思います。
また米国FEMAは「災害対策ガイドブック」を作成し、それをもとに州や各自治体が災害計画を立てるため、基本となる考え方は共通するそうです。
一方、日本ではそういうガイドブックはないとのこと…
FEMAなど専門機関の職員は異動がなく数十年同じ部署で働くため専門家が育ちますが、日本の行政は数年で異動があり専門家が育たないという問題点も指摘されていました…

Uyeki先生は『感染症対策について:世界のインフルエンザ動向と対策』についてのお話でした。新型インフルエンザ(H1N1pdm09)が2009年に流行したときの米国CDCWHOの対策を時系列にお話していただき臨場感あふれる講演でした。
当時、米国では当初「豚肉産業」が「豚インフルエンザ」と呼ぶことで、豚肉の売り上げ低下を懸念し圧力があったそうです。
ある東南アジアの国でも「鳥インフルエンザ」を巡って、農林水産省的な役所と厚労省的な役所のせめぎ合いがあり、必ずしも関係省庁の連携は取れていないとのこと。トホホ。
また米国でも経済情況による、CDCへの予算削減もあるとのことでした。

今後も新たな型(鳥インフルエンザや豚インフルエンザ)が流行する可能性があり、サーベイランスの重要性を訴えられていました。
 質疑応答ではインフルエンザの予防策のおすすめは何かという質問があり、一番はワクチン!2番目は咳をしているひとから2m以上離れましょう!とのことでした。
つねに2m以上ひとから離れて暮らすのは難しいので、みなさん毎年ワクチンは受けましょう(笑)
2つの講演に共通するキーワードは「コミュニケーション」でした。
災害や医療に限らず、今後の社会における
コミュニケーションの重要性は様々な分野でいえることだと思います。
講演会のあとには、それぞれの先生と個人的にお話もできて(連絡先も教えていただき)とても有意義な時間でした。
聖マリア学院、聖マリア病院の皆様にも感謝いたします。
(総合内科部門 坂西雄太)

2012年2月1日

ワクチンなう〜おさらい編〜のお知らせ

2月になっちゃいましたねー


さて、明日(2月2日木曜日)のプライマリケアWebレクチャー(札幌医科大学 地域医療総合医学講座主催)では、僕が講師を担当させていただきます。


タイトルは


『ワクチンなう〜おさらい編〜』


と、いうことで最近のワクチン行政の動向と水痘(みずぼうそう)とそのワクチン、ムンプス(おたふくかぜ)とそのワクチンについて、基本的なことのおさらいを行いたいと思います。


全国のWebレクチャーに参加施設の皆さん、ぜひご覧ください。


佐賀大学病院関係者の皆さんは


朝7時半〜8時
地域医療支援センター(正門横の3階建て)2階 セミナー室


にお越しください!
(総合内科部門 坂西雄太)

2012年1月20日

「九州地区 予防接種普及のしくみを考える」セミナーに参加しました


1月15日に宗像で開催された「九州地区 予防接種普及のしくみを考える」セミナーに参加しました。
九州各県から予防接種に積極的に関わっておられる小児科医の先生方が参加されていました。

その中で「公費助成実現へのプロセス」というテーマで、僕が幌加内にいたときに保健福祉総合センター・センター長として関わった「6種任意接種ワクチン公費全額助成の取り組みと接種率の変化」について講演させていただきました。

北海道幌加内町には、縁あって佐賀大学・総合診療部より平成9年から23年度まで医師が派遣されていて、僕も10人目の医師として3年弱勤務していました。

先輩方の努力によって幌加内町の行政と町の医師との信頼関係が良好だったこと、町長・行政・議会の予防医療、子育て支援に理解が深かったことにより、全国初となる6種(インフルエンザ、ヒブ、水痘、おたふくかぜ、小児用肺炎球菌、HPVワクチン)の公費全額助成が実現しました。
(その後のHPVワクチンへの国からの助成を考えると、HPVではなくHBVワクチン:B型肝炎ワクチンの助成をすべきだったとちょっと悔やまれます・・・)

そして医師と保健師が連携して、住民にワクチンについて情報提供、啓発を行いました。そのなかでも保健師さんによって「母子手帳交付時」と「新生児訪問時」に保護者の方にワクチン(定期も任意ワクチンも!)についての情報提供をしてもらったことがとても大きかったと思います。

助成開始前後でのそれぞれのワクチン接種率は、インフルエンザが57.4%から60.1%、ヒブが2.9%から52.2%、水痘が0%から30.0%、ムンプス(おたふくかぜ)が2.8%から38.2%、小児用肺炎球菌が1.3%から50.6%HPV0%から81.3%に向上しました。
2010年度では、インフルエンザが79.9%、ヒブが77.8%、水痘が34.8%、ムンプス(おたふくかぜ)が36.4%、小児用肺炎球菌が50.6%HPV81.3%でした。)


幌加内町は人口も少なく(乳幼児は60名ほど)、少ない予算で公費助成ができるのは確かですが、その分、町の予算も少ないので、行政の方には公費助成の予算は絶対値ではなく、全体に対する割合で考えてほしいと思います。幌加内の場合は公費助成の予算(インフルエンザワクチン以外の5種)は全体の0.1%ほどです。

なお、幌加内町では昨年12月からロタウイルスワクチンについても公費全額助成が開始されています。

セミナーでは九州各県のワクチンへの取り組みも紹介されました。正直、各県でかなりばらつきがありますが、やはり今後は小児科と産婦人科、行政(保健師)の連携が必要なことは共通の認識でした。

セミナーに参加されていた宮崎の高山先生のブログにもセミナーのレポートがありましたので、こちらもご紹介します。


ワクチンに限らないことですが、いろんな分野で「連携」が大事ですね!
いろんな垣根をヒラリと超えていきましょー
(坂西雄太)

2012年1月9日

児童虐待防止研修会@佐賀市に参加しました

1月7日は佐賀市内で開催された児童虐待防止研修会に行ってきました。
最近、僕が入れてもらった「性と生を考えるネットワーク佐賀(SNS)」の武富さんに声をかけていただいての研修会参加でした。

会場には200300名ほどの聴衆で超満員。この研修会は佐賀県の中部保健福祉事務所の主催で、今回のテーマは「次世代を担う子供たちを心豊かに育てよう」でした。

初めに、「性の教育を通した人づくり〜心と体の一体的な支援に向けて〜」というテーマで、地域医療振興協会 ヘルスプロモーション研究センター長の岩室紳也先生による講演がありました。
岩室先生は泌尿器医としてHIVに関する診療を行いながら、公衆衛生活動、性教育など多岐に渡り活躍されています。

岩室先生は本当に面白く、かつ講演を聞いている一人一人が「自分のこととして」考えることができるように工夫されていました。

当日のスライドは、岩室先生のHPから1週間公開されていますので、こちらをご覧ください。いままでのご講演のスライドなども惜しげもなく公開されていますので、一般の方はもちろん、医療者も必見です。

多くの学びがあったのですが、とくに印象に残ったことをいくつかご紹介します。

まず、一般にどうしても児童虐待や性教育の話になると「子育ては素晴らしい」とか「命は大切に!」などスローガンを掲げてしまいます。しかし、それで本当に人の心に響くでしょうか?ということで会場にも、どういうときに命の大切さを感じましたかと尋ねられました。会場からは「自分に子供ができたとき」という応えがありましたが、岩室先生はそれでは子供を持たない高校生には伝わらないですよねと言われました。つまり人からの意見、他人事ではなく、高校生や聴衆一人一人が自分のこととして、考えられる、感じられるようにすることが大切ではないか。命がたいせつなのは真実だと思いますが、ただのスローガンの押しつけだけではウソくさいし、その時点で話を聞く気がなくなってしまうと思うので話すひとは「リアリティ」をもった自分の言葉、自分の失敗談などのエピソードを交えての語りが大切だと感じました。

また児童虐待や少年犯罪についてもマスコミはじめ日本人全体が「評論家」になって他人事として考えてしまっている傾向も指摘されました。虐待や犯罪をした若者に対して「親の顔が見てみたい」などと考えるのではなく、「なぜ自分や虐待や犯罪をおかさずにこれたのか?」と自分を主語に考えることで問題点の把握や解決方法が見つかるのではないか。

また児童虐待や望まない妊娠など、根っこは現代の日本社会(日本に限らず世界中)の人と人のつながり、関係性の喪失や関係性の拒否があると指摘されました。その解決には関係性の再構築、コミュニケーション能力の再開発が必要です。
と書くとなんだか壮大なことをしないといけない気がしますが、岩室先生が例に挙げた方法は、まずは家庭のテレビを1台だけにすると、家族一緒が同じテレビ番組を見ることになるので、そこに家族の会話が生まれます。例えばエッチなシーンではおじいちゃんがチャンネルを換えたり、恋愛のトーク番組から母娘が性や結婚について話す機会が生まれたりと「一緒にいる場」が生まれます。またケータイは自分中心のコミュニケーションで、メールの返信を5分と待てない若者も多いと言われていました。返信が遅いと友情にも響くとのことでした。とは言え、昔には戻れないと思うので、コミュニケーションや関係性の構築という点ではFacebookなどのソーシャルネットワークをきっかけにして、リアルな人間関係を広げられるといいかもしれないと思いました。もちろんネットワークは多けりゃいいというものではないのですが。

また岩室先生は自分は医者なので「人の命の儚さ」は実感できているが、若者たちには「死」が遠いため、「生」も遠くなっているのではないか。自分のためではなく、他人のためにお葬式は盛大に!と言われていました。

児童虐待も犯罪も常識があれば行いません。でも行ってしまうひとがいるのはなぜでしょうか?それは歯止めをかけることが「できない」から。この「できない」のは「こころが病んでいる」から。こころを病むとは、そのひとの優先順位が周囲のひとの思慮、分別を大きく離れること。つまり自分の欲、優先順位が常識から大きく離れてしまっても歯止めがきかない状態で、自分が遊びたいから子育てを放棄する、他人に無視されたら復讐に殺してしまう、というようになってしまう。では、みなさんの「こころが病んでいない」のはどうしてか?それは、いろんな人、周りの繰り返しの声かけ、応援、つながり、支え合いの「環境」があったからです。
知識、教育はもちろん大切ですが、それだけで人は変われません。人は人との対話や環境におかれて初めて変わることができます。そのような対話、関係性、環境をつくることが重要だと主張されました。

ほかには公衆衛生、予防におけるハイリスクアプローチとともにポピュレーションアプローチの重要性もお話されました。

中学校の教科書に「妊娠すると生理が止まる」ことは書いてないそうです。知りませんでした。岩室先生は医療者は、教科書にも目を通すことをすすめられています。

もっともっと勉強になることがあったのですが、僕の文章力とまとめる力がないのでこれが限界です(笑)。ぜひ、岩室先生のHPや著書をお読みください。
岩室先生は「コンドームの達人」としてYoutubeでも多大なヒット数をたたきだしていますので、こちらもご覧ください。

その後に岩室先生が司会をつとめ、シンポジウム「次世代を担う子供たちを心豊かに健やかに育てよう」が開かれました。

シンポジストは伊万里の浄土真宗僧侶の古川潤哉さん、スクールカウンセラーの吉村春生さん、元佐賀県中央児童相談所長の谷川弘幸さん、神埼市母子保健推進員の菱岡智美さんでそれぞれの立場からのお話とディスカッションが行われました。貧困を是正すること、居場所づくりや「評価しない」環境つくり、相手を変えようとしない姿勢、また多様性を認め、安心感や自己肯定感を子供たちや大人ももつことの必要性などが議論されました。一方で、つながりを持つのってけっこうめんどくさい、でもどうすればよいか、など本音のトークもあって良かったと思います。こういう議題だとみな聖人君子になってしまう傾向がありますが、そうではなく生身の人間として問題を考えることがまず第一歩だと思いました。

講演のあとには岩室先生から個人的にもいろいろとアドバイスをいただき、本当に研修会に参加して良かったと思いました。また佐賀県内の保健師さん始め、積極的に健康問題に関わっておられる県内の方々にお会いすることができて自分のネットワークも広げることができ、とても有意義な連休初日でありました。

しかし、僕まとめるのが下手だなと思ってたら、古川さんのブログにも報告が。
あ、佐賀新聞にも載るそうです。そちらもご覧ください。

(総合内科部門 坂西雄太)

2012年1月1日

新年のご挨拶

新年あけましておめでとうございます

昨年も皆様方には大変お世話になりました。
今年もどうぞよろしくお願いいたします。

当講座も今年はいよいよ折り返しの年に入ります。
箱根駅伝に例えるならこれまではまさに長い上り坂の往路で、とにかく与えられた課題・難題を何とかこなしながら一歩一歩前に進むことが目標でした。
これからは「佐賀の地域医療充実のための土台を完成する」という4年間でのゴールを見据えて一挙に前進していくことが目標になります。

昨年は多くの人が私たちの仲間に加わってくれました。
総合内科、小児救急、救急科および産婦人科・麻酔科といった、いずれも現在佐賀県で特に必要とされている各科の仲間が増え、各自が将来の佐賀の地域医療を担う人材としての自覚を持って日々の研修、あるいは教育に当たってくれています。
これからはその仲間たちと一緒に今後どういった形で地域医療の充実を図っていくか、考えて実行していかなければなりません。
そのためにも多くの方々の知恵や力をお借りしながら、地域医療を担う全ての人が皆でタスキをつないでいって真のゴールである「佐賀県の地域医療の充実」を目指す必要があります。
皆様方には益々お世話になることが多くなるかと思いますが、何卒よろしくお願いいたします。

新年を迎えて

地域医療支援学講座
杉岡 隆