2012年3月22日

佐賀県内初!4月から小城市でロタウイルスワクチン助成開始されます!

今週月曜日の小城(おぎ)市議会で承認され、小城市では4月から佐賀県内初となるロタウイルスワクチンの公費助成が開始されます!

ロタウイルスは嘔吐下痢症の原因になるウイルスです。
日本ではロタウイルス嘔吐下痢症が命に関わることは少ないですが、入院は年間7万人台とかなり多く、外来受診はさらに多くなります。

ロタウイルスワクチンを受けることによって、ロタ胃腸炎の重症化を予防できます。
子どもたちはもちろん、看病する保護者や小児科医の負担を軽減することができます。

いま日本で承認されているロタウイルスワクチンは生後6〜24週で2回の経口接種が必要です。
小城市では1回5000円の助成で2回助成されます。

個人的にはほかにも水痘(みずぼうそう)やおたふくかぜ、B型肝炎のワクチンについても助成をしてもらえればと思いますが、少しずつでも自治体による助成が広まって、最終的には必要なワクチンは定期接種化されればと思います!

ちなみに僕の第二の故郷の北海道幌加内町では昨年12月より、ロタウイルスワクチンの公費全額助成が開始され、これで幌加内町の任意ワクチンの公費全額助成は7つ目のなります。

人口が多い自治体では公費の全額助成は難しいかもしれませんが、少しでも公費助成がなされると自治体から保護者への情報提供がなされるので、自治体からの任意ワクチンの情報提供がほとんどない現状では、それだけでも意義深いと思います。

いや、しかし、ほんとに必要なワクチンは定期接種化してほしいものです。
(総合内科部門 坂西雄太)

2012年3月12日

第8回「性と生を考えるネットワーク佐賀(SNS)研修会〜性と生を守るワクチンについて〜」のお知らせ

今週の木曜日(3月15日)に
第8回「性と生を考えるネットワーク佐賀(SNS)研修会」で『性と生を守るワクチンについて』お話させていただきます。

SNSは、「性と生の教育」ができる多職種の人材育成を目的に結成された多職種協働の団体です。
思春期・青年期の様々な問題に取り組むために、医師・臨床系の助産師などの看護職、地域保健に関わる保健師、学校保健現場の養護教諭、生と死をみつめる僧侶、ITの専門家など多くの専門職がそれぞれの専門分野からの教育や地域支援に関わっていくために、まずは「生きる教育」ができる人材を多く育成する必要があると考えています。
またSNSの活動を通して、佐賀県内の支援活動をより協力に、佐賀という環境がより良くなるためにお互いのネットワークを強化していくことも目指しています。

ワクチンは「生」を守るためにあるわけですが、今回はとくに「性」に関わるHPVワクチンやB型肝炎ワクチンについてもお話できればと思っています。

多くの方のご参加をお待ちしております〜
(申し込みされていない方でも当日参加でもOKです)

日時  平成24年3月15日(木) 19時~21時
場所  佐賀大学医学部 地域医療支援センター 2F セミナー室
講師  坂西雄太(総合内科医)
資料代・参加費  300円(学生無料)

(総合内科部門 坂西雄太)





結婚式に出席しました。

総合内科の先生の結婚式に皆で出席させていただきました。



涙したり、ずっと笑っていたり、顔が真っ赤だったり
おめでたいHAPPYな1日でした。


先生おめでとうございます。
これからも真っ直ぐ!宜しくお願い致します。笑




(地域医療支援学講座  事務)





2012年2月21日

今夜の小児科カンファレンスのお知らせ

佐賀大学病院関係者のみなさま
【今夜の小児科カンファレンスのおしらせ】

突然ですが今日(2月21日)の19時から佐賀大学病院2階病棟・小児科カンファレンスルームで
「ニッポンのワクチンギャップ〜ワクチン行政の問題を中心に〜」というテーマ(毎度ですが)でお話させていただきます。

学生さんやほかの科の先生方の参加もどうぞとのことですので、
お時間とご興味がある方は是非ご参加ください!

出産後はバタバタしてしまい生後2ヶ月からのワクチンデビューはなかなか大変なので、産前・産後すぐから保護者へのワクチンについての情報提供も大切と思っちょります。

なので、その時期(1ヶ月検診時)での小児科の先生方から保護者への情報提供の方法についてもご提案させていただこうと思います。

(総合内科部門 坂西雄太)

2012年2月14日

災害危機管理(FEMA)と感染症対策(CDC)の講演会@聖マリア学院


213日は福岡県久留米市の聖マリア学院で行われた講演会に行きました。

日本学術振興会のリサーチ・フェローシップにより、東日本大震災に関するリサーチで来日されている元米国 FEMA(Federal Emergency Management Agency:  連邦緊急事態管理庁)職員で危機管理専門家の Leo Bosner 先生と、聖マリア学院大学の客員教授で大学院の講義のために来日されている米国CDCCenters for Disease Control and Prevention: 疾病予防管理センター)のTimothy M. Uyeki 副長官のお二人というかなり豪華な講師陣でした。
Bosner先生は『災害危機管理について 地方自治体における災害準備・応急対応について』のお話でした。
災害時の初動対応は「地元」関係者となるため、地域自治体が災害計画をつくる際には行政や消防、医療機関などと検討、シミュレーション、再修正が必要とのことでした。
ハリケーンカトリーナのとき、最も問題になったのは、事前の「非現実的な計画」と「関係組織同士の調整の欠如」だったそうです。
災害計画は、「組織」ではなく「役割」で考えるというお話も印象的でした。
組織で考えると縦割り的な考え方になってしまい、「役割」で考えると横の連携も広がる、ということだと思います。
また米国FEMAは「災害対策ガイドブック」を作成し、それをもとに州や各自治体が災害計画を立てるため、基本となる考え方は共通するそうです。
一方、日本ではそういうガイドブックはないとのこと…
FEMAなど専門機関の職員は異動がなく数十年同じ部署で働くため専門家が育ちますが、日本の行政は数年で異動があり専門家が育たないという問題点も指摘されていました…

Uyeki先生は『感染症対策について:世界のインフルエンザ動向と対策』についてのお話でした。新型インフルエンザ(H1N1pdm09)が2009年に流行したときの米国CDCWHOの対策を時系列にお話していただき臨場感あふれる講演でした。
当時、米国では当初「豚肉産業」が「豚インフルエンザ」と呼ぶことで、豚肉の売り上げ低下を懸念し圧力があったそうです。
ある東南アジアの国でも「鳥インフルエンザ」を巡って、農林水産省的な役所と厚労省的な役所のせめぎ合いがあり、必ずしも関係省庁の連携は取れていないとのこと。トホホ。
また米国でも経済情況による、CDCへの予算削減もあるとのことでした。

今後も新たな型(鳥インフルエンザや豚インフルエンザ)が流行する可能性があり、サーベイランスの重要性を訴えられていました。
 質疑応答ではインフルエンザの予防策のおすすめは何かという質問があり、一番はワクチン!2番目は咳をしているひとから2m以上離れましょう!とのことでした。
つねに2m以上ひとから離れて暮らすのは難しいので、みなさん毎年ワクチンは受けましょう(笑)
2つの講演に共通するキーワードは「コミュニケーション」でした。
災害や医療に限らず、今後の社会における
コミュニケーションの重要性は様々な分野でいえることだと思います。
講演会のあとには、それぞれの先生と個人的にお話もできて(連絡先も教えていただき)とても有意義な時間でした。
聖マリア学院、聖マリア病院の皆様にも感謝いたします。
(総合内科部門 坂西雄太)

2012年2月1日

ワクチンなう〜おさらい編〜のお知らせ

2月になっちゃいましたねー


さて、明日(2月2日木曜日)のプライマリケアWebレクチャー(札幌医科大学 地域医療総合医学講座主催)では、僕が講師を担当させていただきます。


タイトルは


『ワクチンなう〜おさらい編〜』


と、いうことで最近のワクチン行政の動向と水痘(みずぼうそう)とそのワクチン、ムンプス(おたふくかぜ)とそのワクチンについて、基本的なことのおさらいを行いたいと思います。


全国のWebレクチャーに参加施設の皆さん、ぜひご覧ください。


佐賀大学病院関係者の皆さんは


朝7時半〜8時
地域医療支援センター(正門横の3階建て)2階 セミナー室


にお越しください!
(総合内科部門 坂西雄太)

2012年1月20日

「九州地区 予防接種普及のしくみを考える」セミナーに参加しました


1月15日に宗像で開催された「九州地区 予防接種普及のしくみを考える」セミナーに参加しました。
九州各県から予防接種に積極的に関わっておられる小児科医の先生方が参加されていました。

その中で「公費助成実現へのプロセス」というテーマで、僕が幌加内にいたときに保健福祉総合センター・センター長として関わった「6種任意接種ワクチン公費全額助成の取り組みと接種率の変化」について講演させていただきました。

北海道幌加内町には、縁あって佐賀大学・総合診療部より平成9年から23年度まで医師が派遣されていて、僕も10人目の医師として3年弱勤務していました。

先輩方の努力によって幌加内町の行政と町の医師との信頼関係が良好だったこと、町長・行政・議会の予防医療、子育て支援に理解が深かったことにより、全国初となる6種(インフルエンザ、ヒブ、水痘、おたふくかぜ、小児用肺炎球菌、HPVワクチン)の公費全額助成が実現しました。
(その後のHPVワクチンへの国からの助成を考えると、HPVではなくHBVワクチン:B型肝炎ワクチンの助成をすべきだったとちょっと悔やまれます・・・)

そして医師と保健師が連携して、住民にワクチンについて情報提供、啓発を行いました。そのなかでも保健師さんによって「母子手帳交付時」と「新生児訪問時」に保護者の方にワクチン(定期も任意ワクチンも!)についての情報提供をしてもらったことがとても大きかったと思います。

助成開始前後でのそれぞれのワクチン接種率は、インフルエンザが57.4%から60.1%、ヒブが2.9%から52.2%、水痘が0%から30.0%、ムンプス(おたふくかぜ)が2.8%から38.2%、小児用肺炎球菌が1.3%から50.6%HPV0%から81.3%に向上しました。
2010年度では、インフルエンザが79.9%、ヒブが77.8%、水痘が34.8%、ムンプス(おたふくかぜ)が36.4%、小児用肺炎球菌が50.6%HPV81.3%でした。)


幌加内町は人口も少なく(乳幼児は60名ほど)、少ない予算で公費助成ができるのは確かですが、その分、町の予算も少ないので、行政の方には公費助成の予算は絶対値ではなく、全体に対する割合で考えてほしいと思います。幌加内の場合は公費助成の予算(インフルエンザワクチン以外の5種)は全体の0.1%ほどです。

なお、幌加内町では昨年12月からロタウイルスワクチンについても公費全額助成が開始されています。

セミナーでは九州各県のワクチンへの取り組みも紹介されました。正直、各県でかなりばらつきがありますが、やはり今後は小児科と産婦人科、行政(保健師)の連携が必要なことは共通の認識でした。

セミナーに参加されていた宮崎の高山先生のブログにもセミナーのレポートがありましたので、こちらもご紹介します。


ワクチンに限らないことですが、いろんな分野で「連携」が大事ですね!
いろんな垣根をヒラリと超えていきましょー
(坂西雄太)