2011年4月27日

サガテレビ『かちかちワイド』内「健康バンバン!」生出演のお知らせ

佐賀ローカルですが、佐賀県民にはおなじみのSTSサガテレビ『かちかちワイド』(16:53~19:00)のいちコーナー「健康バンバン!」
明日(4月28日)、当講座の杉岡隆教授が生出演します!

今月オープンした「地域医療支援センター」について、ご紹介します。

先日、センターで取材があったので、講座の「総合内科医育成プログラム(後期研修)」の指導風景などもVTRで流れるかもしれません。

佐賀の方は、ぜひご覧ください~


ちなみに「かちかち」は県鳥の「かちがらす(かささぎ)」からだと思います。たぶん。
かちがらすは、佐賀大学の学章にデザインされたり、大学のキャラクター(かっちーくん)にも採用されています。

かちがらすって、佐賀ではその辺でもよく見ますが、天然記念物なんですね。ありがたや。

(総合化内科部門 坂西雄太)

2011年4月26日

『サルでもわかる内分泌疾患』 レクチャーのお知らせ

地域医療支援学講座では、今年度より医学科5年生の病棟実習時を対象の中心に「内分泌疾患の概説」を講義しています。

当講座の蘆田健二講師(内分泌・糖尿病専門医)がわかりやすくレクチャーします。
1回完結ですが、何度でもご参加いただけます。

内分泌疾患に興味のある方、門戸を広げて開催中ですので参加をしてみませんか。

5年生以外の学生さんや研修医、医師、メディカルスタッフなどどなたでも歓迎します!
もちろん無料です(笑)


開催予定日

平成23年 4/28, 5/26, 6/16, 7/21, 9/8, 10/6, 10/27, 12/1, 12/22,

平成24年 1/26, 2/16

場所: 佐賀大学医学部 地域医療支援センター(正門横)

     2階 セミナー室

上記木曜日 午後14時~15時(約1時間)を予定しています。



事情により変更もありますので、とくに学外の方は事前に確認をお願いいたします。
(ご連絡先は、地域医療支援学講座HPをご確認ください)


みなさまのご参加をお待ちしております!

(総合内科部門 坂西雄太)

2011年4月20日

『プライマリ・ケア レクチャーシリーズPCLS』のお知らせ


当講座では、札幌医科大学 地域医療総合医学講座(いわゆる総合診療部)が主催されている『プライマリ・ケア レクチャーシリーズPCLS』に参加しています。

この取り組みは、数年前から行なわれており、インターネットを介して、リアルタイムでケースカンファレンスやレクチャーに参加できます。
北海道の医療機関を中心に、本州、九州・沖縄からも60近くの医療施設が参加されています。

講師は札幌医科大学の先生を中心に、主に参加施設の医師が担当します。
内科のみならず、プライマリ・ケアの場で必要な知識・技術を整形外科や精神科などの先生が解説してくれることもあります。また、その場で質問もすることができます。

僕は、北海道幌加内(ほろかない)町の国保病院に勤務しているときから、このWebレクチャーに参加させてもらっていました。
(『ホロカナイライフ』に記事を書いていました。懐かしい。)

当講座では、今年度から「地域医療支援センター」がオープンしたので、このWebカンファ&レクチャーを学内の看護・医学生や研修医、医師の方にも開放したいと思います。

今朝も、総合内科医育成プログラムの後期研修医、総合診療部のスタッフ、医学科6年生が参加してくれました。

近隣の医療者の方々のご参加ももちろん歓迎いたします(できれば、事前に講座事務までご連絡ください)。

参加は、もちろん無料です!ちょっと朝早いですが、全国のプライマリ・ケア医と一緒に学びましょう!

毎週水曜 ケースカンファレンス
毎週木曜 レクチャー
ともに朝730800 
佐賀大学医学部 地域医療支援センター2階 セミナー室
(佐賀大学病院正門近くの3階建ての新しい建物です)


みなさまのご参加をお待ちしております!
(総合内科部門 坂西雄太)

2011年4月6日

地域医療支援センターのご紹介

いよいよ待ちに待った地域医療支援センターがオープンしました!

3階建ての建物で色調やデザインも地域医療を意識した優しいイメージになっています。
佐賀大学病院の正門近くにあり、いまはちょうど桜がきれいです。

1階は主に救急医療を中心としたスペースです。
医師と救急救命士が一緒に現場に向かい、高度な救命処置を行えるようドクターカーが配備されました。
地域医療支援学講座の小児救急総合部門医師に加えて救急医、救命救急士の待機用の部屋を用意しました。

2階は当講座の総合内科部門医師の部屋に加えてスキルステーションがあり、地域の医療機関の医師にも利用していただくことを想定しています。
またe-ラーニング教材の作成・発信のための部屋とセミナー室もあり、地域住民を対象とした教育セミナー等も行う予定です。

3階は地域連携を中心としたスペースになります。情報通信技術(ICT)や画像保存通信システム(PACS)等を活用した地域の医療機関との連携促進、救急車がスムーズに患者搬送できるための救急管制機能、さらにはSTSサガテレビとの共同で、現在大学で行われている医療の最前線を紹介するためのスタジオ等も整備していく予定です。

地域医療の充実に向けて、これから本センターをどんどん活用していきたいと思っています。
(総合内科 杉岡隆)

2011年4月5日

第1回 家庭医療学春期セミナー in 九州 報告書

先日、開催された『第1回家庭医療学春期セミナーin九州 報告書』を今回のセミナーの企画者である佐賀大学医学部6年生の横山さんがつくってくれたので、転載します。

僕は、初日だけ参加させてもらいました。
報告書にもあるように、まず「佐賀の山間部医療見学」として神埼市国民健康保険脊振(せふり)診療所と佐賀市立国民健康保険三瀬診療所の見学に行きました。

脊振診療所も三瀬診療所も、佐賀大学の総合診療部より医師が派遣されています。
三瀬診療所では所長の西先生が案内&お話をしてくれ、学生さんたちからの質問も多く、
いままで、あまり、佐賀の学生さんたちを二つの診療所に連れて行っていなかったことを(個人的に)反省しました。

午後からは、長崎大学の中桶先生、仲井クリニック(山口県岩国市)の沖井先生、飯塚病院総合診療部の吉田先生(&加藤先生、茂木先生)のレクチャーも勉強になりました。

翌日からは、残念ながら僕は参加できなかったんですが、報告書を読むと有意義だったようです。

では、横山さんによるご報告をどうぞ~
(総合内科部門 坂西雄太)


【第1回 家庭医療学春期セミナー in 九州 報告書】

今回、関東~九州までの20名以上もの方にご参加いただき、
2011年3月26日~28日に『第1回家庭医療学春期ミナーin九州』を無事に開催できました。

ご参加いただいた皆様、本当にありがとうございました。

今回はご参加いただけなかった方も、またのご縁がある時には是非。

以下に、今回の概要を記載いたします。

■施設見学

*診療所見学

背振診療所と三瀬診療所という2ヶ所の診療所を見学させていただきました。
昔ながらの町の診療所といった雰囲気の背振診療所。

とても新しく、綺麗で様々な施設が備わっている三瀬診療所。

2ヶ所の違いや共通点などを、参加者の方々は見つけたようです。

三瀬診療所の方では、西智子先生に旧三瀬村の概要や、三瀬診療所の特徴など、ミニレクチャーをしていただきました。


*病院見学

佐賀大学医学部附属病院の見学をさせていただきました。
見学前に、総合診療部の小泉俊三教授から初代院長の病院へのこだわりなどもお聞きし、その後、実際に総合診療部の先生にご案内いただきました。

見学者の方の目にはどう映ったのでしょうか。


■セッション

*中桶了太先生(長崎大学へき地病院再生支援・教育機構)

『島』って何?ということから、島の医療の現実など、日本のへき地医療の現実をお話いただきました。
一方で先生が実際に見てこられたカナダやオーストラリアの取り組みなどもご紹介いただき、日本との違い、今後の日本ではどうすればいのか、など考えさせられました。

*沖井明先生(沖井クリニック、山口県岩国市)

沖井先生の人生について、楽しく語っていただきました。
その中で、医療を志したきっかけ、かかりつけ医・リハビリテーションへの想い、現在の活動、今後についてなど過去~未来にわたってのビジョンをご提示いただきました。

*吉田伸先生(飯塚病院総合診療部)

『ましょうの女』というテーマで、糖尿病の方への行動変容を促すWSを行いました。
食事や運動などの日常の行動を変えるために、患者さんへどんな話しの仕方をすれば良いのか、数パターンの患者さんのCaseで、学生が対応をしてみました。

各人感じたことを最後に発表しましたが、感じたことは皆違い、皆納得できるものでした。

減量には、体重を2~4回/日測ったり、食べ物の裏に記載してある栄養成分表をみたり、という習慣をつけるのもポイントとか。


*天野純子先生(アマノリハビリテーション病院、広島県):2日目

天野先生のこれまで歩んでこられた道と、病院拡大の裏舞台についてお話しいただきました。

途中のスライドでは、ダーリン(旦那様)とお子様も出演され、女子学生へ『結婚したいと思ったときがタイミング』と将来への強いメッセージをいただきました。

家庭内の夫婦の役割などのお話しの場面では、新婚医師からの質疑応答などの場面も。

■懇親会(1日目)

学生・医師合わせて16名もの方に懇親会にご参加いただきました。

その中で、次回の九州での勉強会の日程発表、家庭医療への熱い想い、将来のビジョン、お子様の話し、医療の世界の裏話など、多岐に渡る話しが繰り広げられていました。

初日ということもあり、セッション中はまだぎこちない様子だった参加者同士も、ここでざっくばらんに会話することでとても仲良くなりました。


■観光など

今回は、遠方からの来場者もいるということで、2日目は午後から観光・懇親会の時間をとりました。

佐賀から熊本へ移動して、熊本名物の太平燕(タイピーエン)を含む中華を食べ、語り合い、夕方には阿蘇へと移動して夜遅くまで様々な話しをし、翌日は童心に帰り元気にアスレチックで盛り上がりました。

今回が初対面、というメンバーも多かったのですが、そうとは感じないくらい皆打ち解け、仲良くなりました。

こうした繋がりが、将来の礎になるのでしょうか。


今回は、震災後という状況でしたが、遠くからもご来場いただき、楽しんでいただけた様子でした。

来年の春は、(私が卒業予定のため)きっと後輩達が開催してくれるだろうと期待しています。


また、今年は6月11日(土)に大分で家庭医療勉強会を、
6月18日(土)に長崎で第4回ざっくばらん勉強会を開催予定です。

今後も九州では熱いセミナーを次々と(後輩達が←よろしくね☆)企画する予定ですので、皆様、乞うご期待!



ご意見、ご感想等ありましたら、いつでもお気軽に私、横山までどうぞ。

■佐賀大学6年生 横山:avemundiluminar1985あっとyahoo.co.jp(あっとを@に変換)

2011年4月1日

『退院調整(リエゾン)ナースの役割と地域医療について』講演会のご報告

今日から新年度ですね。当講座総合内科部門でも今日から、新たな5名の後期研修医の先生たちがそれぞれの病院で研修を開始されます。

さて、3月28日に当講座と佐賀大学病院地域連携室が主催した講演会のご報告をいたします。

入院患者が退院後に地域の医療機関や自宅にスムースに戻れるよう、入院時から積極的に患者・家族と医師、コメディカル、MSWに関わり、退院調整・支援を行う看護師を退院調整ナースと呼びます。

当院では平成22年度より「地域医療連携室看護師」が同様の業務に当たっています。
また各病棟に退院支援ナース1名を担当として業務ができるよう現在準備中です。

全国に先駆けて退院調整ナースを導入し、地域連携がスムースに行われている織田病院(佐賀県鹿島市)の実例をお聞きすべく今回の講演会を企画しました。

織田病院では退院調整ナースのことをリエゾンナースと呼ばれています。

ここで言う「リエゾンナース」とは、もともと看護領域で使われる「リエゾン精神看護師」のことではなく、病院と地域をシームレスにつなぎ退院支援・調整を実現する機能を欧米では”Liaison”と称しており、この「連絡・連携・橋渡し」という意味で用いられています。

織田病院理事長の織田正道先生には、このような退院支援・調整が必要となった背景やリエゾンナースの大まかな役割についてお話いただきました。

背景としては、①超高齢化社会の到来(入院需要率が高い後期高齢者人口の増加、治療後の療養にも長期的な支援が必要)
②家族形態の変化(独居・高齢者世帯の増加)
③医療制度改革(平均在院日数の短縮化、脱施設化と在宅医療推進)などがあります。

在宅や介護施設への退院支援・調整には、MSW(医療ソーシャルワーカー)との協働しながら、ケアの継続のためにも看護の専門性が必要であることを強調されていました。


次に、同病院でリエゾンナースと連携センター師長をされている田島まり子先生より、リエゾンナースの具体的な業務内容について主にお話いただきました。
まず、わが国における、「退院」へとらえ方の変化について説明されました。

これまでの「退院」は、患者が療養生活を自立して営むことができるようになったとき(患者に専門職の援助が不要になったとき)だったのですが、現在の「退院」は「患者の病状が入院適応ではなくなり、地域で、療養することが可能となったとき」(専門職の援助は継続的に必要ではあるが、入院の必要はない)に変化しています。しかし、患者・家族そして医療機関もそのための準備ができていません。

以前は、病院は「疾患の治療」に専念しているだけでよかったかも知れませんが、これからはそれと同時に「生活の場に返す」ことも重要な目的であることを医療者がまず認識することが必要です。

織田病院では、平成18年よりリエゾンナースの取り組みを開始され、1~2年かけて病院職員の意識改革、看護師への教育を行い、平成20年より各病棟にも病棟リエゾンナースを設置されています。

退院支援が必要な方のスクリーニング・アセスメントを行なうツールとして、退院支援フローを病院のコンピューターネットワーク上に置き、多職種が共通のフローに乗って記入、確認ができるようになっています。
また、組織的な体制づくりもされ、定期的な病棟カンファレンスや「退院に向けてのカンファレンス」が行なわれ、看護師やMSWだけでなく、主治医やリハビリスタッフ、ケアマネージャー、訪問看護師、ときには患者・家族も参加して、関係者が「退院後の生活をイメージして」問題点を早くから抽出し対応されています。

病棟リエゾンナースがこのような院内連携の核になり、情報が集約されます。

退院支援を受けた患者の追跡調査では、退院時はそれなりの不安をかかえていた患者・家族も、退院後にはほとんどの方に不安がない状態にあるとのことで、入院中からの「退院後の生活をイメージした支援」の成果だと思いました。


今回の講演会の日程が、ちょうど初期研修医の研修修了式と重なってしまって、研修医が参加できなかったのことだけが残念でしたが、看護師を中心に150名弱の方々にご参加いただきました。
講演後の質疑応答も盛り上がり、大学職員の関心の高さも伺えました。

これからも地域医療支援学講座では、大学(病院)と地域との橋渡しに少しでもお役に立てればと思っています。

(総合内科部門 坂西雄太)