2011年8月26日

自治医大・佐賀大学 医学生の合同夏期実習 報告~その1~

先日、杉岡先生からご報告がありましたが、81819日に自治医大(佐賀県枠)・佐賀大学医学部学生の合同夏期実習を行いました!
 今回の合同実習は、佐賀では初の試みとして、佐賀県健康福祉本部医務課-地域医療振興協会佐賀県支部そして佐賀大学医学部(地域医療支援学講座)がコラボして佐賀県枠の自治医大生と佐賀県推薦枠・地域医師確保枠の佐賀大学医学部生(ともに14年生)が参加しました。

もともと佐賀県が4年生までの自治医大学生に夏期実習(離島実習)をしていたんですが、今年はそこに佐賀大学の学生も混ぜてもらったわけです。


 自治医大学生10名+佐賀大学医学生13名、合計23名と人数が多いかったため、今回は例年の離島実習に加えて、「佐賀県の山間部医療実習」として三瀬村&背振村実習も行いました。

 自治医大の学生さんと佐賀大学の34年生は2つに分かれて、それぞれ唐津市の「馬渡(まだら)島診療所」と「加唐(かから)島診療所」で実習を行いました。

 どちらの島も呼子から船が出ていて、それぞれ片道45分、20分ほどかかります。

島へのアクセスはこちら
 
どちらの島も自治医大卒業の先生が一人ずつ勤務されています。

学生さん達は、大学病院などと比べて「医師―患者関係の近さ」や「医者が地域に溶けこんでいる姿」が印象的だったようです。
釣りもさせてもらったようで、よかったね。


で、佐賀大学の1-2年生9名は三瀬・背振に行きました。僕はこちらに引率しました。

まず、三瀬村の「シルバーケア三瀬」という介護老人福祉施設で見学をさせていただきました。 
シルバーケア三瀬は、特別養護老人ホームやデイサービス、ショートステイ、「元気アップ教室」などを運営されています。

職員さんからのお話もあり、1-2年生にとっては「介護保険」の仕組みなども??なので(これは高学年でもかなり怪しいですが…)、そのへんの制度的なことも教えていただきました。


 お昼は、最近テレビでも有名らしい「まっちゃん」にマイクロバスを停めてもらい自由行動にしました。
僕が学生だった10数年前と比べて、三瀬村は福岡市からも近い「田舎」としていろいろお店が増えて、だいぶ観光で賑わっているようです。福岡にお住まいの方はぜひお越しください笑

ちなみに、僕は三瀬診療所の西先生と「ドイツハム&ソーセージ IBUSUKI」でランチ。ビールが飲めないのが残念でしたが、旨かったっす。

で、午後からは三瀬診療所見学。

佐賀市三瀬村は、人口およそ1400人で高齢化率は31.5%、主な産業は農業・林業の第一次産業と観光です。

三瀬診療所は佐賀市立の国保病院で、佐賀大学病院・総合診療部から医師が派遣されています。いま勤務されている西先生は、僕の1コ下の後輩で数年前より三瀬診療所で頑張られています。

三瀬診療所の隣に併設されている三瀬村保健センターも見学させていただきました。ここには隣の「やまびこの湯」から引いた温泉水の流水プールがあって、佐賀市民は無料で利用できます。流水によって腰や膝痛が改善した方がたくさんいらっしゃるとのことでした。

西先生&保健センターの保健師さんからもお話を伺えました。学生さんたちは、地域医療は医療機関だけでは成立せず、行政や介護施設、地域包括支援センターなどの連携の輪で成り立っていることを実感してくれたようです。

その後に脊振村に移動し、脊振診療所の見学。
こちらは神埼市立の国保病院で、やはり佐賀大学病院・総合診療部より医師が派遣されていて、僕の後輩の徳冨先生が頑張っています。

脊振診療所は、三瀬と比べると建物は古いのですがレントゲンはCR、電子カルテも導入されており、エコー、GIFなども整っています。

生さんたちは建物の外観のイメージと、実際に行なえている医療のギャップが印象的だったようです。「建物の写真だけでは、なにも医療ができないと思っていた」という感想の学生さんもいて、実際に現場を見てもらってよかったと思いました。


そして、マイクロバスで七山を超え、唐津で離島実習グループと合流。

夜は、みんなで懇親会を行いました。懇親会は学生のみならず、自治医大OBの先生方、県医務課地域医療整備室、唐津市保健福祉部地域医療課、唐津市民病院きたはたの先生方、そして僕ら地域医療支援学講座からも参加しました。

 僕の実感として、地域医療を担ううえで、共に医療を支える「仲間」は本当に大事だと思っています。
学生さんたちは、将来それぞれ進む科は違うかも知れませんが、ともに佐賀の医療を担うことに変わりはなく、将来地域を担う仲間として学生時代から仲良くなってもらうのが、今回の合同実習の大きな目的のひとつでした。
 
もちろん、おじさんたち(笑)も、いろんな連携が大事ですので、多いに交流を深めました。

~その2~に続く!

(総合内科部門 坂西雄太)

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