6月13日(日)は西日本新聞社主催の「新米・プレママわくわくセミナー」に参加するため福岡の天神に行ってきました。
セミナーは3部構成で、
第一部「子どもを守ろう、ワクチンを知ろう・病気予防の基礎知識」、
第二部「トークセッション:ママの笑顔が子どもの笑顔」、
第三部「Q&Aセッション」になっていて、会場は200人強の若いママさん、プレママ(妊婦)さんで満員で、男性はちらほらでした。
司会はフリーアナウンサーの政井マヤさんで、ご自身も2歳児の母とのこともあり、会場の雰囲気が明るくなり、よくありがちな「まず××大学教授の××先生より開会のご挨拶を…」といった堅苦しさはなく、若い女性の心をしっかり掴んだ感じでセミナーが始まりました。
第一部では、日赤医療センター小児科顧問の薗部友良先生と国立病院機構福岡病院の岡田賢司先生のお話がありました。
薗部先生のお話は、いきなりワクチンの話題に入るのではなく、いまの日本のお母さんたちをとりまく状況(昔の母親がいまより立派だったのではなく、昔は地域で子どもを育てる母親的環境が整っていたなど)などからお話が始まり、惹きつけられる導入でした。そして家の中での事故や交通事故を防ぐのと同じで「ワクチンで防げる病気(VPD)はワクチンできちんと防ごう」とヒブワクチンと小児用肺炎球菌ワクチンによる髄膜炎予防の大切さとお話されました。
岡田先生からもそれぞれのワクチンについての説明や、ヒブワクチンや小児用肺炎球菌ワクチンは「任意」ワクチンだけれども、「任意」だからといって予防する病気が軽いわけではなく、病気の重大性からは「定期」と変わりません。それは単なる制度の違いです。というお話がありました。
「任意」ワクチンは、その言葉の響きや接種料金が全額自己負担になることから、せっかく効果的なワクチンが日本に導入されても接種率が高くなりません。日本の年間の髄膜炎患児数は、推計ではヒブ(Hib)によるものが600人、肺炎球菌によるものが200人かそれ以上と言われています。これらは非常に予後が悪いため、ワクチンでの予防がとにかく大切です。
本来は定期接種化や国による公費負担が理想ですが、それを待っていると時間が過ぎてしまうため、私が以前勤めていた北海道の幌加内(ホロカナイ)町では6種の任意ワクチンに対し全額公費助成(つまり無料)を行っています(6種:インフルエンザ、ヒブ、水痘、おたふくかぜ、小児用肺炎球菌、子宮頸がんワクチン)。
ちなみに佐賀県内でヒブワクチン、子宮頸がんワクチンの公費一部助成を行っている自治体は今のところ、小城市だけです。
第二部は、雑誌などでも有名な産後セルフケアインストラクターの吉岡マコさんとおしゃれなマタニティ服を提供するヴィリーナジャパンの青木愛さん、司会の政井さんによる3人のママによるトークセッションでした。若い女性の関心が強いテーマで、こういう企画はなかなか医療者のみによるセミナーにはない発想で今後の市民公開講座のヒントにもなりました。
第三部は、事前に募った参加者からのワクチンに対する疑問に薗部先生と岡田先生が直接答えるというものでした。司会者の「なかなか普段、小児科の先生からじっくりお話を伺う機会がないので今日は貴重でした」という言葉が印象的でした。
一般の方のなかには「なんとなくワクチンって不安」と思われているかたが少なくないと思います。
まずは医療者、行政、マスコミが正しい情報を提供して、ワクチンの理解を広めることが大事と思います。
当講座でもワクチンを含む予防医療の大切さを市民の方々にお伝えしていきたいと思っています。
インターネットでのワクチンについての情報は「VPD(ワクチンで防げる病気)を知って子どもを守ろう。」のサイトがおススメです!
(総合内科 さかにし)
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2010年6月15日
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